エッセイ「心なしか」
四角い人生。丸い運命。しゃがれた声で煙を唄う。心から愛想を尽かしてしまえばいいというものに関しては、賛否両論だ。自分さがして三千里。心から言いたいことを言えない世界。幸せになればいいと思っている。自分はこうであると主張し続けなければいけない世界。綺麗に並んでいる一本道。心の中で加えている。優しさが正解かどうかなんて、分からないじゃないか。口の中で何かを感じても、人生なんていらないものばかりなんだから。体を蝕んでいても気づかないんだろう、世界。
海を飲み干して、心の中で叫んで、ずっとどこかで泣いている。始まっている人生なんだから、流れに身を任せればいいのに。ゆらりゆらりと、ゆったりとしていればいいと思うのに、なんでこう、上手くいかないんだろうか。朝日が昇る前に、孤独をここだけでいいとしている。救ってくれる人生を見上げている。溢れている想いに初めて気づく。愛し合っていても、心の中では何もできないと思っている。実際に人生はあんまり進まない。揺れていても何をしても罪深い。醜い心を携えて。
何が正解なんだろう。自分だけが幸せになればいい世界で他の人を幸せにしようとする。この時代に暴きたいと思っている世界の秘密。幻を信じてやまない人間たち。本当の実現したらいいねと言い合ったりして、無自覚で一方的に不幸になることを選んでいる。心の動きを感じる。こうして書いているだけで何か見えてくるものがあると信じている。決められた真実を、この時代に暴くために。
門出に感じる。青い世間と心の穴。僕たちは世界を他人として見ている。飛び込めば触れる笑い声。染み込んでいる世間。一体全体何が正解なんだろうか。手を取ってみても何も生まれない。永遠に僕らは大人になれずに、盗むことばかり企んでいる。
名残惜しさをぐっとこらえて、永遠に僕たちは大人になれないでいるんだろう。企んでいる。もう人生はどうなってもいいから。必死になって泳いでいるところに、申し訳ないです。