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利尻島コンシェルジュ/観光スポット #3 姫沼

姫沼のいわれ

現在、姫沼がある場所に明治時代、2カ所の小沼がありました。1917年(大正6)、北側の支流(利尻山からの湧き水)をせき止め、周りの湿地ごと人口的に沼化して広げられます。
ここに地元青年団が御大典記念事業(大正天皇即位のお祝い)として、ヒメマス15万粒をふ化放流したことから、その後『姫沼』と名付けられます。

姫沼がある地域は、昭和初めの資料の中で「リヤウシナイ沼」と書かれいて、ヒメマスを養殖していたことが確認できます。
リヤウシナイは、アイヌ語で”越冬する沢”という意味です。この名前が示す通り、当時から豊富な水量を誇っていた地域で地形的にも窪地であったところに沼地が形成されていたことが考えられるといいます。
もしかすると姫沼は以前、『リヤウシナイ沼』と呼ばれていたかも知れません。

姫沼周辺

姫沼は、ポン山の麓、標高130mに位置する周囲約800m、深さ約2mの人造湖なのです。
周囲はエゾマツやトドマツの原生林に囲まれ探勝路(散策道)が整備され1周約20分で巡ることができます。
探勝路脇には、白いウメガサソウがひっそりと咲き、クマゲラなどの野鳥のさえずりを聴きながら森林浴を楽しむこともできます。

ウメガサソウ

『姫沼周辺でのバードウォッチング』(ベストシーズン 4月~6月)
姫沼周辺の森は山に近く深い森です。。そのため、ほぼ毎年のように『クマゲラ』が営巣しており、森の上を飛んでいったり、運が良ければ止まっている姿を見ることができます。沼一周は約20分。ここの目玉は夏で、『カイツブリ』『オシドリ』の親子が仲良く沼に浮かんでいたり、ともすればオシドリ親子の行列が歩く姿を見ることができます。水浴びと真水の補給に来る『ウミネコ』もいます。森には『コマドリ』が多く、早朝には木道(散策道)や木道脇の倒木の上に出て、さえずっていることもあります。森が近く、すぐそばの笹やぶで『ウグイス』『エゾセンニュウ』が鳴いています。

出典 北宗谷バードウオッチング誘致整事業報告書 2018年3月
クマゲラ
オシドリ(利尻町・利尻富士町の両町の『町の鳥』に指定されている)

休憩舎にある売店では、利尻や姫沼の景色、花、野鳥などの写真や絵葉書が販売されています。姫沼駐車場横にトイレあり。

逆さ利尻富士

晴れて風のない日は、美しい利尻富士(標高1721m)が鏡のような湖面に映るので『逆さ利尻富士』が撮影できます。風がなければ、どちらが本物の利尻富士かわからなくなります。この姿に姫沼を訪れた観光客は魅了されます。

逆さ利尻富士

『姫沼』にまつわる都市伝説~姫沼と稚内の龍神沼は繋がっている?
稚内市街から車で西海岸へ向かい坂道を登りきるとトンネルから出たようにパッと目の前が開け、利尻水道に秀峰利尻富士がそびえ立ち、雄大な景色が展開する。海に向かって連なるこの丘の上に小沼があり、そのほとりに祠(ほこら)があって龍神を祀ってある。
この祠は、1863年(文久3)、後年、大漁業家となる中島要之助が天塩から来て西海岸の坂の下地区で初めて漁場を開いた時、山頂の小沼のほとりに大漁を祈願して小祠を建て龍神を祀ったのだといわれ、この沼は『龍神沼』と呼ばれている。 
いつのころのことか、材木屋が付近から切り出した木材を龍神沼に入れて置いた。数日後、行って見ると木材は、1本もなく、どこかへ消え失せてしまった。ところが、利尻富士の麓の『姫沼』に、たくさん浮いていた。
龍神沼の底は、姫沼まで続いているという話は、それから広まった。
明治時代も末頃の話。毎年決まったように鰊場どきになると、どこからとも知れず一人の老人が、漁場から漁場を廻っては酒肴のご馳走になって帰っていった。漁場の人たちは、この老人の姿を見ると、口をそろえたように大漁の神様が来たと、酒をご馳走したうえ、お土産を持たせて帰した。
ところが、この老人が漁場を訪れても、ろくなもてなしをしない時は、不思議と不漁の巡りあわせとなった。
この老人は因縁の沼の主である龍神様のお使いであったと、今でも坂の下地区の古老たちの語り草になっている。

出典 風土記 稚内百年史

姫沼展望台

姫沼入口にある『姫沼展望台』では、鴛泊湾一帯が望め、ぺシ岬や港を発着するフェリーの姿を見ることができます。

姫沼展望台よりペシ岬を望む


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