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島民待望の''フェリー化第一船''『第一宗谷丸』

1970年(昭和45)4月の就航日に『第一宗谷丸』の小冊子が配布された

1970年(昭和45)4月、航路のフェリー化を図るために島民待望の『第一宗谷丸』(537トン)が就航する。
船は”船舶整備公団”の共有建造制度を利用して建造されたいわゆる「公団船」である。

フェリーが就航したことで旅客・車両輸送(航送)は急増する。
特に旅客は、離島ブームと相まって多くの観光客が乗船しブームを後押しすることになる。
この1970年(昭和45)の運航会社の記録が残っている。旅客は延べ30万人、バス132台、乗用車3443台を輸送している。

物流も従来の小樽~利尻礼文ルートから稚内港からの輸送に切り換わる”切っ掛け”となってゆく。

SOYA MARU No.1
第一宗谷丸
■総トン数 537トン
■馬力 1860馬力
■全長 50.8m
■速力 13.4ノット
■旅客定員 440名
■車両積載数 乗用車17台
■就航 1970年(昭和45)4月
■退役 1982年(昭和57)10月
■小樽~利礼航路就航 1982年(昭和57)~1988年(昭和63)
■三厩~福島航路(三福航路) 1989年7月1日~1992年
■1993年10月、海外(フィリピン)へ売船
稚内で開催された「第一宗谷丸就航祝賀会」
初就航のセレモニーに参列した関係者。写真右側に記念ゲート?が設けられている
学生による”祝賀演奏”か?
浜森稚内市長。防波堤ドームの柱の”老朽化”が気になります
当時の祝賀行事には着物の女性は欠かせなかった
テレビ中継車の屋根にTVカメラ。”生中継”を行った?
初便出航風景。おそらく島の関係者が乗船していると思われる
運航会社若手社員による見送り風景
島の関係者?を見送る運航会社若手社員
就航初便を出迎える島の関係者と子供たち(港は不明)
初便を見送る島の関係者と子供たち(港は不明)
当時の利礼航路”主力連絡船”/右側より「第一宗谷丸」「第二大函丸」「第三利礼丸」
稚内港の乗船風景。写真手前:第一宗谷丸、中央:第二大函丸。観光客が車両甲板より乗船しているのが確認できる/1971年(昭和46)
稚内港の乗下船風景/1971年(昭和46)
出航直前の第一宗谷丸(左側)と車両積載中の第二大函丸
稚内港の乗下船風景
稚内港の下船風景。船の降りた観光客は稚内駅まで歩くことになる。約10数分
稚内港の下船風景。稚内桟橋駅の老朽化が目立っている
稚内港の下船風景。当時は大きなリュックを背負った”蟹族”が多く見られたが、特に男性は”カーボーイハット”をかぶっていた印象が強い
稚内港の下船風景
稚内港の乗船風景。左側:第一宗谷丸 中央:第二大函丸 右側:第三利礼丸
稚内港の乗船風景。手前の第一宗谷丸のタラップ横には制服制帽の運航会社社員が改札を行っている。一見、国鉄(JR)職員のようである。
稚内港の第一宗谷丸乗船風景。タラップ中央に立っているのは旅行会社「日本旅行」の添乗員。当時、すでに島への団体旅行が実施されていたことになる/1971年(昭和46)7月
稚内港の下船風景/1971年(昭和46)
利尻島鴛泊港の出航風景。利尻山の残雪から推測すると5月頃か
利尻島鴛泊港の出航直前の風景。車両甲板は、ほぼ満載の様子。マリンガールも確認できる
利尻島鴛泊港
稚内港を出航する第一宗谷丸と見送る小学生
サハリンへ向かう第一宗谷丸/稚内港
第一宗谷丸のサハリン(樺太)輸送実績
■1975年(昭和50)「北海道墓参団」31名 稚内~ホルムスク
■1976年(昭和51)「北海道墓参団」19名 稚内~ホルムスク
■1979年(昭和54)「日本社会党墓参団」58名 稚内~ホルムスク
■1980年(昭和55)「日本社会党墓参団」60名 稚内~ホルムスク
■1981年(昭和56)「日本社会党墓参団」53名 稚内~ホルムスク
稚内港を出航する第一宗谷丸の空撮。右側には稚内桟橋駅の全体像が確認できる貴重な写真
稚内港出航直後の第一宗谷丸
礼文島へ向かう第一宗谷丸
「第一宗谷丸」は、1982年(昭和57)10月に利礼航路を退役後、同年「北海商船」に貸与され小樽~利尻礼文航路に就航します(週3便)。写真は小樽港に係留中の「第一宗谷丸」
1988年(昭和63)に東日本フェリーへ売却され、船名を「つがる」と変えて福島(北海道)~三厩(青森県)航路(三福航路)で季節運航(7月、8月)されます
三福航路が1992年(平成4)に航路休止となり海外(フィリピン)の「Cokaliong Sg Lines Inc」へ売却され,船名も「M/V Filipinas Domaguete」となります。写真を見ると少々、改造が加えられているようです。現在も現役かは不明。M/V Filipinas DomagueteのYouTube動画が発信されています

参考・引用文献
・ハートランドフェリー船舶表
・YouTube/Mactan Channel
・Wikipedia
・ ryan diel Marine Traffic.com


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