![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/97632833/rectangle_large_type_2_a343d81129941dee2ab6ef0495ad40a1.jpeg?width=1200)
戦前・戦中に活躍した『第三東洋丸』
『第一東洋丸』や『第二東洋丸』とほぼ同じ時期に就航し戦時中に退役した『第三東洋丸』。困難な時期に活躍した100トンほどの小さな木造船です。
![](https://assets.st-note.com/img/1675945883357-1pWkoOn3gU.jpg?width=1200)
第三東洋丸
■総トン数 119トン
■馬力 225馬力(ディーゼル機関)
■速力 12ノツト
■就航 1936年(昭和11)
■退役 1942年(昭和17) ※海難事故により退役となった記録あり
![](https://assets.st-note.com/img/1675945934454-iEW0Y0VyZl.jpg?width=1200)
Episode
当時の『第三東洋丸』時刻表で運航に関する注意事項が確認できます。
■『結氷、流氷、その他の不可抗力の為、運航不能の場合は、稚内の坂の下に変更することがある』と記されています。現在の坂の下(稚内西海岸)は、稚内市民の海水浴場として知られています。当時は、船が係留できる施設があったことを物語っています。
■『貨客の都合により沓形(利尻島)、鬼脇(利尻島)、船泊(礼文島)へも臨時寄港することもある』と記されています。当時も柔軟にお客様に対応していたと考えられます。
■時刻表から所要時間を確認すると稚内~鴛泊(利尻島)間3時間、利尻島と礼文島間1時間。当時の「第三東洋丸」の運航ルートは、稚内~鴛泊~香深~鴛泊~稚内だったことが確認できます。
■運航は毎日で夏期と冬期に分かれていました。
・夏期 4月1日~10月31日 ・冬期 11月1日~3月31日
![](https://assets.st-note.com/img/1675947173204-4iFEy8VlFk.jpg?width=1200)
参考・引用文献
・利尻を想う 武田豊作 著 1982年
・風土記 稚内百年史 野中長平 著 1977年