ジョンが出会った読者たち【第101話】
『夏の魔物2017 in KAWASAKI』へ
フェスボルタ選抜者を送り込みます!!!
★「フェス不毛のこの地で、わぁフェスばやりて!」。青森の青年・成田大致さんの向こう見ずな情熱で始まった『夏の魔物』。今や最強のサブカルフェスとして君臨していますが、いかんせん青森は遠い…。ところが今年は川崎へやってくる! 同じフェス主催者として(比べるのもおこがましいですが)、どうして青森ではなく、今年からは川崎なのか非常に気になります。しかも、ダメ元でフェスボルタ選抜者を送り込むことを提案させていただいたところ、早速OKが! ということで、成田さんと首脳会談をしてきました!
文/ジョン・ヒロボルタ
——なぜ今回から川崎で?
「今回で10周年になるんですけど、だんだん規模も大きくなってきて、『夏の魔物』っていう名前がどんどん世の中に浸透してきて。自分でできる範囲をとっくに超えていたんですが、それでもずっと無理してやってたんですよね」
——どんな無理があったんですか?
「例えば、打ち合わせやロケハンがあると青森に行くんですけど、でもスタッフは全員東京の人で、それだけでも新幹線代が何人分もかかったり…、スタッフが足りないから、運営周りをやってくれる人も全て東京から連れていったり…」
——確かにそれは大変ですね…。
「自分自身、今、東京に住んでるんですけど、上京して4〜5年経って、もう青森でやるのは限界かなって思ったんです」
——なるほど。
「で、そんなときに、フェス『BAYCAMP』を開催しているATFIELDの青木さんから、『BAYCAMP』の次の日に同じ場所でやらないか?とお話をいただいたんです。それで、今回の川崎での開催になりました」
——今回はどんな意気込みですか?
「これまで10年間やってきたものを関東でそのままやりつつも、川崎で新しく第一回目をやる意気込みです」
——フェスを続けていく秘訣を教えてください。
「この質問、絶対訊かれると思って考えてきたんですけど…やっぱり『ない』ですね」
——ないんすか!
「続けたいからこそどうやるんだ?ってことなんだと思います。その意味、俺の青森時代からずっと考えている“今の一番いいもの”を切り取ってフェスで出したい、時代をスライスしたいって気持ちとか、続けたいという気持ちとイコールなんです。3〜4年前まではやり方がわからなくて、とにかく全部やっちゃえ!って感じでしたけど」
——今のフェスボルタがまさに全部やっちゃえ!で、なんでもあり状態です。成田さんは19歳のときに『夏の魔物』を始めたんですよね?
「そうですね。もともと青森でライブイベントやっていて、その拡大版として2006年にいきなりフェスやろう!と思ったんです。そしたら、ライブハウスの店長に止められて…」
——どうして止められたんですか?
「まだフェスをやったこともない19歳の俺が、日比谷野音クラスのステージ見て、『ここじゃ小さいんじゃないか?』とか言い出したので…」
——まだ何も知らなかったんすね…。
「今生きてられるのは店長のおかげです。ホント感謝」
——僕も初めてのフェスボルタではAC-DCに打診したなあ…。ちなみに『夏の魔物』が定着したな、と感じたのはいつ頃ですか?
「3回目くらいからメディアに『手作りフェス』として取り上げられるようになった頃からですね」
——自分の理想のフェスになってきたな、と感じたのは?
「会場を変えた2012年ですね。ステージが4つに増えたおかげで、それまで枠の制約上、呼べなかった人たちも呼べるようになって、会場内にいろんな空間ができたんです。でも、2014年にBRAHMANの TOSHI-LOWさんに『自分の力でしっかりやってみろ』って言われたんですよ」
——どういう意味ですか?
「その時あたりまではまだ、俺の家族にいろんな裏方的なことを結構手伝ってもらっていて。自分の中でまだまだ『手作りフェス』だという考えが抜けきれなかったんですよね」
——ふむふむ。
「それをTOSHI-LOWさんに、もう何年もやってるんだから現場に甘んじるなと。『頑張ったってのは自分で言うことじゃねーんだよ。ほんとに頑張ってたら、大致が何も言わなくてもコッチに伝わってくるんだから』って言ってもらえたんです」
——ど正論ですね。
「その時、初めて『続けていきたいなら、まだまだ足りない。このままじゃダメだ』って気付けたんです。それで次の年は、これまでのやり方は全て断ち切りました」
——初回の店長、TOSHI-LOWさん、そして今回の川崎と、ひとつひとつが大きな転機になっていますね。
「確かに、この3つの節目はすごく似ています。これから始まる何かを感じる。ぜひ今回の川崎でも皆さんにそれを感じてもらいたいです」
——ところで、フェスボルタ選抜者なんですが…。
「30分くらいの枠を用意しますので、ぜひ面白いことやってください!(笑)」
——ありがとうございます!
いや〜、やっぱり成田さんは僕らの遥か先の世界を見ているなと思いました。僕らにもいつかTOSHI-LOWさんみたいな人が現れるのか? いや、初回の店長みたいな人すらまだ現れてない気がします…
ということで、ここでご案内!
9/10(日)『夏の魔物2017 in KAWASAKI』
川崎市東扇島東公園(JR川崎駅から無料シャトルバス)OPEN 11:00/START 12:00
※11:30~OA.ハルク・ホーガン体操
出演者:大森靖子、ZAZEN BOYS、スチャダラパー、中村一義、曽我部恵一、上坂すみれ、人間椅子、大槻ケンヂと橘高文彦with高橋竜(Ba)河塚篤史(Dr)、ROLLY、有頂天、ラフィンノーズ、ギターウルフ、SA、ニューロティカ、戸川純with Vampillia、般若、ロマンポルシェ。、クリトリック・リス、吉田豪…etc、フェスボルタ選抜者チケット:一般8000円、中高生3000円(当日のみ)、駐車券2000円、テントサイト2000円詳細は、公式サイトまで
(注:平成29年8月26日号掲載ですのですでにフェスは終了しています)
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