【みやまる】のほ本!2冊目 ー誰も寝てはならぬー

 2014年読んだ漫画で一番面白かったのはサライネスの「誰も寝てはならぬ」に他ならない。都心のデザイン事務所のなんてない日常をサライネスの細やかな画風が絶妙に混ざり合い読む側に心地よい「のほほん」を与える最高の漫画であった。

 春樹と五郎は中学時代からの長い付き合い。中高大と同じ学校に通い、40目前になった今では2人が生まれ育った大阪市を出て、赤坂で一緒にデザイン事務所を営んでいる。大学の共通の友人であるヤーマダこと山田、世話焼きの春樹の親戚である頼子ら「大阪人脈」が東京での生活につながっていく様子がゆっくりと繰り広げられる。

 一応デザイン事務所の漫画ではあるが、あまり仕事はしていない。おしゃべりを楽しくつなげただけの漫画である。一見こうして書くと地味ではあるが、熱い青春も情熱もないけれど、趣味と仕事とダラダラ喋れる相手がいる思わず日常に何故か思わずあこがれる、非凡な脱力漫画である。「なんか最近シンドイ」という方、是非ご一読を。ボケぇ~っとできること請け合い。

 ▲タイトルとは裏腹に登場人物はよく寝てる。

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