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ジョンが出会った読者たち【第7話】

この番号に群馬の高校生たちが電話をかけてきてくれたのをキッカケに、誠に勝手ながら美術教師(自称)として、廃部寸前の高校美術部を盛り上げるべく立ち上がった僕。大見得をきってはじめた展覧会も無事終了、その反響やいかに!?
ごく普通の会社員である僕が血迷って携帯番号を誌面に載せたところから始まる、アメイジング・ドキュメンタリー!

発売日深夜、ツイッターで拡散!

去る1/16、展覧会リポートが掲載されたブロス発売日の深夜、あの掟ポルシェさんがツイッター上でこうつぶやきました。

『今号のTVブロス、巻末に何がしたいのかわからない意味不明な企画をやらせたら日本一のくだらなさを誇るジョン・ヒロボルタの特集が2ページも。なんの企画かはよく読んでも一ミリたりともわからないが、無意味なのに妙に堂々としていて凄酷い』。

その後、連投で『(今号のTVブロスのジョン・ヒロボルタのページの見出しコピーより)「アートなんかFUCKだ! 会田誠? あいださくら(AV女優)の方がアートじゃぁ! チンポム? ならこっちはチンポじゃぃ!!」こういう気が狂っているだけで実りがないものをキチンと載せられるブロスはあいかわらず芳醇である』とツイート。

なんとこれがツイッターのタイムラインに拡散されたのです。当然高校1年の美術部長たろおみボルタも、その部員すずきゅうボルタも、そして展覧会に飛び入り参加してくれた小6ボルタも、まきボルタもリツート。自然とボルタたちの力が集まっているではありませんか! みんな! よかったね!! でもまだこれからだよ!! 君たちの目的は雑誌に載ることでもないし、記事を読んでもらって喜んでもらうことでもない。これは通過点に過ぎないのだから。

そしてご本人、降!臨!

ふとタイムラインを見ると、驚くことに、あの今をときめく現代美術界の至宝・会田誠先生ご本人までもがリツイートしているではないですか!

これに気付いた私、ジョン・ヒロボルタは青ざめたのでした。なんせあの記事には「アートなんかFUCKだ!」とか、自分でもなぜあんなことを書いたのかわからないくらい汚い言葉が書いてあったからです。

「ああ、ようやく美術界に足を踏み入れたというのに大先生にこれを知られるなんて…。きっと怒ってらっしゃるだろうな」。僕は落胆し、10分ほど悩みました。どこか遠くに逃げようかとも考えました。

 でも待てよ、思い留まりました。なぜならあっちも先生だけど、僕ももはや「School of Fuck(前号見出し参照)」の“先生”ですから。美術教師ですから。とにかく今は生徒のためにもがんばらないといけません。まずはお詫びのお手紙でも書くか、そう思って便箋を探していたら、なんとあの会田誠先生は私の書いたコピーに対して……


『どちらかというと嬉しい…』とツイート。

広い心で対応してくださったのです! 会田誠の“誠”は誠意の誠! 僕のボルタはトラボルタのボルタ! その後、間髪入れずに『会田誠さんの心の広さに救われるジョン・ヒロボルタ 』と解説ツイートしてくださった掟ボルタさん。はぁ…助かった…。

でも、僕は思うんです。そもそも会田誠なんて存在するのでしょうか?

アート界に身を置く僕ら美術部にとって、会田誠は雲の上の人です。でも、雲の上過ぎて会ったことがありません。会わなきゃ自分にとっては、空想上の生き物と一緒です。僕にとって存在を実感するのは、電話でしゃべるか、実際に会うか。特に今は電話!それ以外は空想だ。そもそも作品だってまだ見たことないし。……ん? そういえば今、六本木の森美術館で「会田誠展」をやってるらしいじゃないですか! 『天才でごめんなさい』というタイトルなんですね。でもこっちだって負けてませんよ! あいつら(たろおみ・すずきゅう)だって本気出せば、みんなをあっと言わせて感動させられるようないい絵が描けると思います(僕は描けませんけど)。

とにかく目標は定まりました。彼らの闘志に火をつけるためにも、たろおみとすずきゅうを会田誠展に連れて行きます!!

次号予告!

会田誠展で受けた衝撃。止まるたろおみの筆、リリックが浮かばないラッパー・すずきゅう。そんな中、教師ジョン・ヒロボルタは一大決心をする…。乞うご期待!



読者プロファイル⑮ ヒラマボルタ&ミカボルタ:20歳の専門学校生二人組。電話する前に、先生(女性)に前号の記事を見せたら「えーちょっと危ない人じゃない? (関わるの)やめときなよー」って言われたそう。「ボルタってなんですか?」と聞かれ、「ジョン・トラボルタのボルタですよ」と答えるも、トラボルタ自体を知らなかった。

読者プロファイル⑯ 羽田野ボルタ:39歳。雑誌編集者。ヒロボルタの勤務先の偉い人。このコーナーのことは一切知らせたことはなかったのに、「ブロス見ましたよ〜! 何やってるんですか!!」と突然電話をかけてきた。「面白そうなことやってますね。今度そういう機会あったら僕も呼んでくださいよ!」と言ってくれた!


読者プロファイル① キクボルタ:このコーナーがスタートして一番最初に電話をかけてきてくれた読者。熊本在住25歳。「ボルタが増えてきましたね〜。私も参加したいんですけどいいですか? なんとかして東京行きますから!」と、とても心強い言葉をいただきました! ブロス25周年記念イベントが楽しみだ!

(「TVBros.」2013年1月30日発売号掲載)

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