【みやまる】電車映画のようなもの その21-アイデン&ティティ-
師匠から「サブカルくそ婚活」をやると聞いたとき思い出したカップルのことを前々夜に書きます。「モテキ」以降サブカルという言葉の範囲がなんとなく広がったように感じますが、この作品は「ど真ん中」ですよ。麻生久美子と峯田和伸ですから。しかも原作はみうらじゅん、脚本は宮藤官九郎、監督は田口トモロヲ。こんな「俺のために作られたような」組み合わせはそうそうない。
90年代の序盤。峯田演じる中島のロックバンド「スピードウェイ」はバンドブームも終わりつつあり、解散一歩手前のギリギリで商業主義とロックのズレに苦闘する。追っかけの女と浮気し、テレビでは放送禁止用語、あげくの果てに仲間割れ。そんな彼の彼女(麻生)は口数も少なく中島のすべてをやさしく見守る。「キミの理想を追ってる限り、好きよキミのこと」。・・・こんなこと言われたら男はひとたまりも無い。しかも麻生久美子がもはや神々しい域にあるのはこんな台詞を平然と言ってしまうところである。
中島は「君は理想すぎるんだよ」と彼女にこぼす。字面だけ見ればのろけてるようにも見えるが実際は彼女の完璧さに自分がついていけないというシーンである。あんな完璧な彼女さえいれば幸せだろうな・・・なんてほど人間甘いもんやおまへんのやで(「帰ってたヨッパライ」風に)・・・。書きながら聞いてた銀杏BOYZの「東京」が沁みるぜ。切なく、ロックあり、麻生久美子あり。サブカルの「ど真ん中」にはこんな良い映画があるんだぜと、声を大にして言いたい。
これに共感したアナタ、ピッタリなイベントが「サブカルくそ婚活」です。
▲所属事務所社長の言葉に駅前で苦しむところにちっちゃく電車は走る。
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