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ワンドのクイーン。
あなたは声がでかくて、おせっかいで、ぶっ飛んでいるムードメーカー。あなたがいる日といない日ではビックリするほど会社の雰囲気が違う。
性格も、価値観も、好きなものもまるで違う。
タロットでいえばワンドのクイーン。
おせっかいで、優しいくて、肝っ玉かあさん。
「かあさん」とあだ名をつけると「こんな娘欲しくないわ」と最初は不機嫌になったけど、私がかあさん、かあさんとよんでいたら、周りの同僚も、かあさんとよぶようになった。そして、かあさんも、かあさんと呼ばれることを諦めた。
だって、あなたは優しいの。
忘年会、わたし一人だけ遠いからと終電で帰ろうとすると、「帰りのタクシー代だすから最期までのこり」とそっと手のなかに数千円を押しこんだり、かあさんが持ってきた手作りのイクラ漬けを美味しいなぁ、美味しいなぁと食べてた数日後には「これ子どもと食べなよ」とそっと会社の冷蔵庫にイクラ漬けが入っている。
そう、あなたはワンドのクイーン。
性格も価値観も好きなものもまるで違う。
私が東京土産にドライフルーツを会社に持って行き休憩時間に「ねぇねぇお土産買ってきたよぉ~」と少し自慢げにだすと、「なんでわざわざ東京まで行ってきたのにドライフルーツなの!!!」「こんな不味いの買ってくるな」とか「センスを疑う」と散々けなされ
「このドライフルーツの美味しさがわからない方が味覚のセンスがない!!私は東京にいって東京バナナを買ってくる奴のセンスを疑うよ!!」と悪態つくことができる。
何を話していたのか覚えてないから、なんでもない話をいつもしてたんだろうね。
だから、
会社をやめると伝えるのに勇気が言った。
「そうか」とあなたは黙ったけど
そんな顔をしないで欲しい。
「かあさん」とよぶと「あんたみたいな娘はいらない」と少し不機嫌になる。ほかの人なら居心地が悪いのにそんな顔をされても安心して隣にいれた。
そう、
あなたは、ワンドのクイーンで、おくれてやってきた私の肝っ玉かあさんだった。