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【解読する #3】THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス / 福田 康隆 (著)

Web制作会社のUIデザイナーです。
「THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス」を読了しました。アウトプットとして、本書で重要に感じた箇所をこの記事を通じて共有したいと思います。

本書は、デジタル化が進む現代の営業環境に適応する新しい営業手法を提案する本です。著者の福田康隆氏は「マーケティング・インサイドセールス・営業(フィールドセールス)・カスタマーサクセス」の4つを統合する新レベニューモデルを提示し、営業支援ツールの運用や組織の持続的成長戦略について考察しています。

"分業"から"共業"へ

著者である福田氏は営業プロセスを「マーケティング・インサイドセールス・営業(フィールドセールス)・カスタマーサクセス」という4つの段階に分け、その一つ一つが如何に機能するかを詳細に解説しています。彼は"分業"体制を強調し、これにより各員が特定の業務に集中することで効率が向上し、同じリズムの仕事によってより没頭しやすくなると述べています。

しかし、その一方で、分業体制にはメリットではなく、副作用が存在するとも述べられています。具体的には、各部門が自身の業績評価目標を達成しようとするあまり、新規リードの確保に偏りが生じ、結果として商談の質が下がる可能性があります。

著者はこれに対する解決策として、共通の目標を設定し、その達成に向けて組織全体での共同作業を目指すことを提示しています。具体的なアクションとして、マーケティング・インサイドセールス・営業(フィールドセールス)・カスタマーサクセスの各部門がフィードバックを常に共有し、それに基づいて行動を改善することが重要です。

役割とプロセスの重要性

本書では、組織内の各部門が果たす役割と、それらが連携することで全体としてどのようなプロセスが形成されるかが具体的に解説されています。

マーケティング部門は、商談前のリードから商談中の見込み客、さらに購入後の顧客まで、各顧客ステージでの「コミュニケーションの指揮者」として機能し、全体的なコミュニケーションを統括する重要な役割を果たします。

インサイドセールス部門では、マーケティングから引き継いだリードを具体的な商談に結びつける役割を果たします。彼らの業務は効率化が業績に直結するため、データ分析やリードスコアリングを用いて優先順位を設定し、資源の最適化を図ることが重要です。

営業(フィールドセールス)部門では、商談というステージをさらに細分化し、各フェーズにおける顧客のニーズや疑問に対応する必要があります。具体的な商談ステージにおける移行判定基準などを用いて、商談の進行を管理し、最終的な成約に結びつける役割を果たします。

最後に、カスタマーサクセス部門は、製品の購入後も顧客が満足度を維持し、リピート購入やアップセル、クロスセルを行う機会を増やす役割を持ちます。顧客が製品やサービスを最大限に活用できるよう支援し、その結果、顧客の満足度やロイヤルティを高めることで、企業の収益性と持続可能な成長をサポートします。

強いリーダーシップの形成

本書の最終章ではリーダーシップの重要性が強調され、またその特性についても詳しく述べられています。「増幅型リーダーと消耗型リーダー」という二つのリーダーの性質とその違いを説明し、リーダー自身がどのような行動を取るべきかについての具体的なアドバイスが提示されています。

ここでは、これまで成功したリーダーは自分の強みを理解し、自分で対処できない部分は他人に頼ることができていたと述べられています。リーダーは常に現場の状況を把握し、自分自身とチームのメンバーに対して高い期待を持つべきであり、またリーダーが恐怖や利益だけでなく、尊敬をもって組織を動かすことの重要性を強調しています。そして最後に、リーダーシップの中でユーモアの存在もまた重要であると述べています。ユーモアは組織内の緊張を緩和し、効率的なコミュニケーションを促進する重要なツールです。

総評

『THE MODEL』は営業モデルを深く理解するための指南書とも言えます。著者の経験に基づくアドバイスと、各部門の役割とプロセスについての詳細な説明は、営業戦略を見直し、ビジネスを次のレベルに引き上げるのために必読です。

また、個人的にはリーダーシップについての洞察も、組織の成功に向けての一助となるように感じました。本著は、現代の営業戦略だけでなく、リーダーシップについての理解を深めるためにも有用な一冊であるように思います。

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