推しが亡くなった話②
何事も無かったかのように過ごしていたある日。
いつものように帰宅すると父母の表情が暗いことに気付いた。
どうやら私の推しのことについて、知ったような顔だった。
「知ってたよ」
と言えば
『全然気付かなかった』
『まだ知らないのかと思った』
『よく仕事に行ったね』
と声を掛けてくれた時、私は泣いた。
キッチンの隅には、私の大好きなお菓子がたくさん置かれていた。
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彼が死んでも、私の食欲は変わらなかった。
どんなに気持ちが沈んでいてもお腹は空くし、眠くもなる。
ただ1つ言えることは
彼が死ぬ前の私には、もう戻れないということ。
推し事を楽しんでいた私は
一生彼の死と向き合わなければならない。
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