エフェクターコラム15 「Reverb その2 スプリング系ペダル」
さて、今回からはきちんとリバーブペダルのご紹介です。前回なんてほんと完全にアウトボード回というかレコーディング機材回でございました。今回は「スプリング系」のリバーブ「ペダル!!」回でございます。
レコーディングされたサウンドで比較するなら、もはやスプリングリバーブ比較音源の完成形じゃないかなってレベルのこちらの60 Cycle Humさんのコンテンツ。でっかいFenderのリバーブユニットから中に本物のスプリングを仕込んだアナログリバーブペダル、そしてスプリングリバーブをデジタルモデリングしたペダルまでほぼ全員集合です。都内大手巨大楽器屋さんですらここまで比較するのは難しいと思います。動画時間も圧巻の55分!さぁリバーブギーク諸氏たちよ!この動画を見て気に入ったペダルをレッツ試奏!
ってことで終わっちゃうのもコラムとしてどうかと思うので続けます…。続けますとも。英語だしなんのこっちゃわからないよっていう方々もきっといらっしゃるはず、そんなあなたとコラムを書きたい私のためにどうぞお付き合いください。
Fender Reverb Unit
冒頭で今回はペダルって言ってるのに最初に紹介するのがペダルじゃないっていう。でもギター用のオリジナル機種なので一応書かせてください!
楽器屋さんなどで初めて見た時に、こんな小さいアンプヘッドあるんだ?と思ったらリバーブユニットだったとびっくりする元祖Fender製リバーブユニット。前回の記事でもちょこっと説明したとおり、61年にギター用のリバーブユニットとして初めて登場したものになります。とにかくサイズが大きく、入ってるスプリングも長く、真空管や電源トランスまで入ってしまっている本気仕様のアナログリバーブです。サイズを気にしないならこれがスプリングリバーブのお手本、最初期機種ながら完成形です。現行品でも復刻モデルが、と検索してみたら製造終了なんでしょうか。
Fenderのオフィシャルサイトからも消えてる…。Fenderもついに本物のスプリングを使ったリバーブからデジタルモデリング系に舵を切ったようです。
スプリング内蔵式アナログリバーブペダル
さすがにFenderのあのサイズは大きすぎるでしょ、というわけで実際のスプリングを内蔵しながらも、小さいスプリングで小型化したのがこちら。とは言えほとんどの機種がエフェクターとしてはボード専有面積も大きいサイズ。アナログらしい太く温かいクールな(どっちだよ)音。Fenderのユニットが大きくて値段的にも高すぎて無理!と思った方には、「あ、こっちでもいけるかも!」もしくは、今までデジタルリバーブしか触ったことのなかった多くの人からは「アナログリバーブって太いしロックな音がするね!」と悩ましいリバーブ沼に誘う、それがスプリング内蔵式アナログリバーブです。
動画のものはもう廃版なんですが未だにファンが多く、Reverbなんかでもたまに出品されている名品、Spaceman EffectsのOrionです。コンパクトサイズなのにしっかりスプリングリバーブ感、しかし高価。ほしい…。
Danelectro Spring King
最初の動画でも紹介されていた、定番品で昔からずっとあるアナログリバーブ。楽器屋さんで見たことがある方や懐かしさすら覚える方もいらっしゃるかもしれません。リーズナブルな価格なのにオールドスクールな本格スプリング・リバーブサウンド、そしてご丁寧に蹴っ飛ばしてスプリング独特の残響を出せるゴム部分までついているという。ロカビリーなあなたにもおすすめです。
Surfy Industries SURFYBEAR Compact
現行機種で名機とも名高いSurfyBear Reverb。設定の幅も広く、リバーブの深さも十分。とは言えその分横幅が25cmというペダルにしては巨大サイズ。ボードにめちゃくちゃ余裕があるよ、もしくはペダルのサイズなんか気にしないよ!という方には文句なしのおすすめスプリングリバーブ。こちらも最初の動画で紹介されてました。
鈴木茂氏も別機種をレビューしています。
Anasounds Element
スプリング内蔵じゃサイズが大きくなっちゃうというのなら、本体とスプリング部分を別にしちゃえばいいじゃない、という合理的な発想のリバーブです。しかも別付けなのでスプリングのサイズも好きなのを選んでねという親切っぷり。こちらはスプリングらしいリバーブサウンドから、もっとロックでピーキーな暴れるサウンドまで出せてしまう機種。足元はコンパクトにしたい人から、ハードにいきたいあなたまでおすすめできます。
デジタルモデリング系リバーブ
とにかくコンパクトにいきたい!けどできるだけスプリングらしさは出してほしいの!という方におすすめなのがデジタルモデリング系リバーブです。今まで紹介してきたものは実際に内部にスプリングが入っているものになりますが、ここからはデジタル部品のリバーブユニットを搭載したものになります。今回はデジタル系でもスプリングに特化した機種をいくつか書いてみようかと。
Source audio True Spring Reverb
音はアナログスプリング系が好きだけど、ボード的に場所が…といろいろ探していた時に発見したデジタルリバーブ。まだ実際に試奏したことはないのですが、もうスプリングリバーブはこれでいいのではないか!!!と最初に1人で興奮してしまった機種です。多くのデジタルリバーブがアキュトロニクス製のデジタルリバーブユニットを内蔵して作られているものが多い中、内部のDSPパーツから開発したという本気機種。さわりたい。
Catalinbread Topanga
こちらもとてもスプリングらしい音をさせてくれるCatalinbreadの人気機種。多くの過去の名機の再現ペダルで定評のあるCatalinbreadだけにさすがのクオリティ。
tc electronic DRIP SPRING REVERB
こちらも古くからデジタルエフェクターで定評のあるtc electronicのデジタルリバーブ。コンパクトさとリーズナブルさが魅力です。
おわりに
いかがだったでしょうか。ロックなリバーブサウンドを求めると避けては通れないスプリングリバーブ。こちらもサイズ感、アナログorデジタル、それぞれの個性によって、などなど選択肢の多さが悩ましい沼です。
次回はデジタルのメリットを最大限に生かした「なんでも搭載全部盛り機種」から「アンビエント系リバーブ」までご紹介できたらなと思っています。