LINEやめますか それとも 個人情報保護やめますか 【無料バージョン】

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 私の住む広島県三原市では毎月1日、市役所による市民への広報活動などの一環として、広報誌の「広報みはら」が発行されています。
 その表紙を一見してわかるように、今年の3月号では三原市が LINE に公式アカウントを開設したことが最大のトピックとして扱われ、LINE への登録や三原市公式 LINE アカウントへの友だち登録が呼びかけられました。

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 岡田吉弘市長をトップとする三原市から市民への呼びかけは、三原市が新型コロナウイルスのワクチン接種を行う際、共同通信が1月 28 日に『LINE でワクチン接種の予約 自治体にシステム提供』と報じた予約システムを利用することを想定して行われたのでしょうか。

 しかし、広報誌を通じて三原市が市民に活用を促した LINE には、個人情報の取り扱いについての疑念が、後ほど紹介するような形で流出した個人情報が世間を騒がせたことなどを理由に、また、ネット上では前々から、『日本に対する敵意をむき出しにしている韓国や中国に、やり取りが筒抜けになっている』との疑念も持たれ続けてきました。

 そうした疑念が取り沙汰されるたび、LINE 側は否定したり、対策を取ったと発表したりしてきたのですが、その後も流出した個人情報が世間を騒がせ続けたこともあって、ネット上での疑念は深まるばかりで、払拭されることはありませんでした。

 また、高齢者や高齢者以外の既往症のある人ほど重症化リスクが高いことを理由に、ワクチン接種が話題になり始めた当初から、『ワクチン接種は高齢者から』との方針も伝えられていましたので、全国の自治体で LINE の予約システムが採用されると報じられるたびにネット上では、『そもそも個人情報の取り扱いを疑問視されている LINE を使うべきではない』、『デジタル端末の操作が苦手な人の多い高齢者にワクチン接種を予約させるつもりなのか』、『一刻も早く予約しようと思った高齢者が役所に殺到することで、担当者が大変な目に遭うんじゃないか』などと危惧されました。

 案の定、三原市でも担当者が大変な目に遭わされたそうです。

 「三原市が LINE に公式アカウントを開設したことや、LINE への登録や三原市公式アカウントへの友だち申請を市民に促したことは、きっと近いうちに問題視されることになるだろう」と思っていたところ、朝日新聞が3月 17 日のスクープで、LINE による個人情報の取り扱いに対する疑念が事実であったことを明らかにしました。

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 また、6 月 11 日の夕刻以降の報道に、『「正確な情報発信の姿勢不足」 LINE 問題で中間報告(朝日新聞 2021 年 6 月 11 日)』などとあったように、LINE の設置した外部有識者による特別委員会は、取りまとめた中間報告で、LINE が官庁や自治体に対して、個人情報の取り扱いについて実態と異なる説明を行っていたことを公表しました。

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 岡田吉弘市長をトップとする三原市は、日頃の業務の中で三原市民の個人情報を扱っているのですから、6 月 11 日の報道を受けて、休日を返上してでも即座に対応を取り、少なくとも安全性が担保されるまでは LINE の運用を中止すべきなのですが、6 月 13 日の夕刻になっても何一つ対応を取っていません。

 個人情報の取り扱いに疑念が持たれ続けていた LINE の使用を自分たちが促した責任や、市民の個人情報を保護する立場にあることをどう考えているのでしょうか。

 そこで、LINE にどのような疑念が抱かれてきたのか、どのような報道があったのか、LINE がどのような説明をしてきたのかや、岡田吉弘市長をトップとする三原市が LINE をどう扱ってきたのかなどを確認することで、三原市民の個人情報を扱う三原市が、その取り扱いを疑問視されている LINE への登録や、三原市公式 LINE アカウントへの友だち登録を市民に呼びかけたことが適切だったのか否かを検証します。

指摘されてきた LINE のリスクと、朝日新聞のスクープ

 ●●紙の●●●●がウェブ上で公開している『●●●●●●●●●●●●●●●を見て開発●●急成長する●●●●●●●●●●●●(2012年3月16日)』からも分かるように、2011 年に起きた●●●●●●をきっかけに開発されたとされる LINE には、『LINE 乗っ取り事件の真相 新手詐欺、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●(●●●●新聞 2014 年 7 月 16 日)』や『●●●●●が LINE 傍受 仮想空間はとうに●●。国家の「傭兵ハッカー」たちが盗み、奪い、妨害し、破壊する無法地帯で、日本も巻き込まれた(●●●●●オンライン 2014 年 7 月号 BUSINESS [サイバー戦争の「●●」])』などからも分かるように、少なくとも 7 年も前から、とりわけ個人情報の取り扱いについての疑念が指摘されてきました。

 その都度、●●●●●オンラインに掲載された記事を LINEの●●●社長(当時)が自身のブログ『●●●●●●●●●●●●●(2014 年 6 月 ●●日)』を通じて否定したようなことが、繰り返されてきました。

 しかし、三原市が LINE に公式アカウントを開設し、市民に登録・活用を促し始めた直後の 3 月 17 日、LINE の危険性を指摘するスクープ記事『LINEの個人情報管理に不備 ●●の委託先が接続可能(朝日新聞 2021 年 3 月 ●● 日)』などが朝日新聞に掲載され、LINE による個人情報管理の不備や、個人情報が●●や●●に筒抜けだったことが、白日の下に晒されました。

 朝日新聞による一連の報道のうち、3 月中にあった主なものへのリンクを紹介しておきますので、有料会員でなくても読める範囲でご覧ください。

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 これら①~⑦の報道を受けた LINE は、3 月 23 日に開いた会見で、『LINE、●●で保管の●●●を国内移転へ●●●関連(●●新聞 3 月 23 日)』にあるように、韓国内のサーバーに保管していた「●●●」関連の画像や動画などのデータを 6 月までに全て国内に移す方針を表明しました。

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 しかし、●●新聞が 6 月 2日の『LINE、●●●国内移転で「●●●●」除外を公表せず...「●●膨大で●●に●●」(●●新聞 6 月 2日)』で LINE による「説明不足」を報じると、同日中に●●新聞も続きました。

 3 月 23 日の会見では、『●●内のサーバーに保管していた「●●●」関連の●●や●●などのデータを 6 月までにすべて国内に移す』としていたのですが、『アプリ内で別途、有効期限なく●●を保管できる「●●●●」のデータは計画の対象に含まれていないことが分かった』のです。

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6 月に入ってからの記事(⑨と⑩)で分かることを箇条書きにします。

◎●●新聞
●(アプリ内で別途、有効期限なく●●を保管できる「●●●●」のデータを)他のデータとは切り分けて移転させる計画だった
●「利用者目線が欠け、説明に不十分な点があったと反省している」
◎ ●●新聞
●「これまでの説明にはユーザー目線を欠いた不十分な点があった」
●●●データなどを長期保管できる「●●●●」機能では移転作業が 24 年前半まで、同様の「●●●」では 22 年前半までかかることを明らかにした
●同社は 3 月時点で●●●●などで移転完了が遅くなることを把握していたが、社外に説明していなかった
●「●●●●や●●●などの●●●●●機能は●●●とは別の機能であると考え、スケジュールを伝えていなかった。ユーザーへの説明が不足していた」としている

 LINE の公式サイト『●●●●を作成する|LINE みんなの使い方ガイド』を見る限り、「●●●●」が「●●●」関連機能であることは明白ではないでしょうか。

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 朝日新聞のスクープにより、長年にわたって指摘されていた個人情報の取り扱いについての疑念は事実であることが明らかになりました。

 また、3 月 23 日の会見での説明と、6 月に入ってからの報道で明らかになった矛盾点を、LINE は「説明不足」と主張しているわけですが、「説明不足」ではなく「嘘」ではないでしょうか。
 こんな企業の「説明」をいったい誰が受け入れるというのでしょうか。

 また、何気なく見過ごしてしまっている人も多いと思うのですが、次のような騒動の際にも、LINE による個人情報の取り扱いへの疑念は取り沙汰されました。

 ●年前の 201● 年、LINE で交わされたやり取りが流出し、その年の新語・流行語大賞のトップテンに選ばれた「●●●●」がワイドショーを騒がせた際。

 記憶に新しいところでは、関係者からのリークと言われてしまえばそれまでなのですが、今年 3 月の●●●●に掲載された『「●●●●をブタ●●●●●●●に」●●●●●●●「責任者」が●●●●●プラン』に LINE でのやり取りが流出した際。

 さらに、これも関係者からのリークと言われてしまえばそれまでなのですが、私たち三原市民にとって身近な例を挙げれば、●●●●氏から●●●●●●を受け取っていたことを認めて●●●●●●が●●するに至った「●●●●●●●●」についての一連の報道の『「●●●●●」LINE、指示次々 ●●
「経路考えて」(●●新聞 2020 年 3 月 18 日)』で、●●●●氏が LINE を使ってやり取りをしていた内容の分かる画面が流出した際。

 また、「●●●●●●●●」についての一連の報道からは、『●●●●●●●ら証拠隠滅か LINE 通信記録を消去(●●●● 2020 年 6 月 ●●日)』の一節に『事件は東京、広島の両地検が共同で捜査。関係者によると、特捜部は消されたラインのデータを復元して捜査を進めている』とあることからも分かるように、自分では削除したつもりのデータもどこかに保存されていること、だからこそデータを復元できることが分かります。

 ここに紹介した事例や対応を見ても、LINE を信用することはできません。

三原市による、これまでの LINE の扱い

 冒頭にも記したように、三原市は広報みはら 3 月号の表紙や 4 ページ目だけでなく、Facebook に開設していた公式アカウントへの 3 月 3 日の投稿を使ってまで、LINE に開設した公式アカウントの運用を 3 月 1 日から開始したことを大々的にアピールするだけでなく、市民に LINE への登録や三原市公式アカウントへの友だち申請を促しました。

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 また、どこからどれだけのお金が出たのかわかりませんが、三原市ホームページ、三原市によるFacebook への 3 月 3 日の投稿に添えられた画像、●●●●●●●●による ●●●●●●● への 3 月 ●日の投稿や、3 月 ●日に ●●●●●●● で公開された●●●●からの●●●●●●からも分かるように、登録者の中から ●●●に●●●●との●●●を、●●●●に●●●●・●●●を●●とする「●●●●●キャンペーン」を実施するほどの力の入れようでした。

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 6 月 ●日にヒッソリと開設されたらしい三原市公式 ●●●●●●● との扱いが違いすぎます。

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 三原市ホームページに掲載された情報をまとめたグラフから分かるように、広報みはら 3 月号が発行された当時の三原市では確かに、新型コロナの患者数の発生状況は小康状態でした。

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 しかし、広報みはら 3 月号の表紙の下部に、

新型コロナウイルス感染症の影響で、掲載しているイベントが中止・延期になる場合があります。事前に主催者に確認してください。市 HP でも中止・延期などの情報を掲載しています。

とあることからも分かるように、まだまだ予断を許さない状況が続いていました。

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 また、国内で初の感染者が確認された昨年 1 月 15 日以降は、新型コロナへの感染拡大を防止することを目的に様々な措置が取られる中で、私たちは移動を制限されただけでなく、従わない場合には罰則までが科される行政からの要請により、多くの人が集まるイベントが規模の縮小や中止に追い込まれたり、飲食店に限らない多くの店舗が営業時間の短縮や休業を余儀なくされてきました。

 さらに、朝日新聞がウェブ上で公開している 1 月 22 日付の記事『自殺者、リーマン後以来の前年比増 小中高生は過去最多』では、11 年ぶりに自殺者が増えたことについて厚生労働省の担当者が、『コロナ禍による経済的な影響や生活環境の変化、学校の休校、外出自粛などが影響した可能性があるとして、「厳しい状況だ。女性は幅広い年代、職業、原因・動機で増加しており、悩みに応じて支援していきたい」』と、話していることが報道されたばかりでもありました。

 そんな時期にもかかわらず、市民に行動制限を呼びかける立場にある●●が、よりによって●●との●●●を●●にしてまで、個人情報の取り扱いについての疑念が持たれ続ける LINE への登録や、三原市公式アカウントへの友だち申請を呼びかけてよかったのでしょうか。

 私には「嘘」としか思えないのですが、6 月 ●日の●●新聞や●●新聞の報道からも分かるように、LINE は『説明不足』を認めました。

 6 月 ●● 日以降の報道では、取りまとめた中間報告の中で、LINE の設置した外部有識者による特別委員会が、LINE は個人情報の取り扱いについて、官庁や自治体に対して実態と異なる説明を行っていたと公表しました。

 にもかかわらず、三原市の公式ホームページ『三原市公式 LINE アカウントを運用中 市の情報をもっと身近に(記事 ID:0118755 更新日:2021 年 5 月 1 日更新)』の先頭には、6 月 13 日の夕刻になっても、3 月 22 日付の【LINE 株式会社の個人情報の取り扱いに対する対応】が未だに掲載され続けています。

 つまり、三原市は何一つ対応を取らず、LINE の使用を続けているのです。
 三原市は、LINE の説明をいつまで信じ続けるのでしょうか。
 岡田吉弘市長をトップとする三原市は、いったい何を考えているのでしょうか。

おわりに

 ここまで見てきたように、長年にわたって持たれ続けてきた、個人情報の取り扱いについての LINE への疑念が事実だったことは、3 月 17日の朝日新聞のスクープ記事により白日の下にさらされました。

 そして、LINE は『説明不足』としていますが、3 月 23 日の会見で説明したことと矛盾する事実が、6 月に入ってから続々と報道されています。

 これらを見ただけでも、LINE は信用するに値しないと言えるのですが、三原市は何一つ対応を取らず、LINE の使用を続けています。

 そこで、三原市の公式ホームページ『三原市公式 LINE アカウントを運用中 市の情報をもっと身近に(記事 ID:0118755 更新日:2021 年 5 月 1 日更新)』から、その先頭にある【LINE 株式会社の個人情報の取り扱いに対する対応(3 月 22 日掲載)】を次に転載します。

【LINE 株式会社の個人情報の取り扱いに対する対応】
 3 月 17 日に,LINE 株式会社が提供するコミュニケーションアプリ「LINE」の個人情報の取扱いに関する報道がありました。
 三原市では,本年 3 月から LINE 公式アカウントを利用し,皆さまに情報をお届けしておりますが,

(1)LINE 株式会社から現時点で不正アクセス・情報漏えいはない旨の説明を受けたこと
(2)三原市の LINE 公式アカウントでは個人情報の取り扱いがないこと
(3)LINE 公式アカウントで三原市から発信する情報は,皆さまに広くお伝えする情報であり,秘匿性の高い情報を扱っていないこと

 以上3点を踏まえて,三原市 LINE 公式アカウントでの情報発信を継続します。
 なお,今後の国や LINE 株式会社の対応等を引き続き注視し,必要があれば速やかに適切な措置を講じてまいります。
(令和 3 年 3 月 22 日掲載)

 三原市は、公式アカウントでの情報発信を継続する理由として(1)から(3)を挙げています。

 しかし、LINE 自身が『説明不足』を認めただけでなく、LINE の設置した第三者委員会は中間報告の中で、『LINE が官庁や自治体に対し、「LINE のデータは日本に閉じている」などと、実態と異なる説明をしていたことも問題視。正確な情報が社内で共有されていなかったとみられ、「構造的な問題を特定する必要がある」』と断じています。

 こうした報道を見ても分かるように、また、第三者委員会から「構造的な問題を特定する必要がある」とまで断言された LINE からの説明を受ける前に、●●●●を●●とする三原市は、速やかに適切な措置を講ずる必要があるはずです。

 岡田吉弘市長をトップとする三原市は、岡田市長の卒業された松下政経塾の先輩で、総務大臣なども歴任された高市早苗衆議院議員の著書『サイバー攻撃から暮らしを守れ! 「サイバーセキュリティの産業化」で日本は成長する』を読まれたり、高市議員が出演された最近のネット番組(次の3つのうち6月4日の動画)や、同じ番組の別の回(次の3つのうち、3月19日の2つの動画)をご覧になられたりすることで、様々な方面でのセキュリティー感覚を磨かれてはいかがでしょうか。

 ところで、ここまでの報道を受けて三原市にお尋ねします・・・LINE やめますか、それとも個人情報保護やめますか。

※無料版への追記
 今(6月23日現在)、三原市ホームページから「三原市公式LINEアカウントを運用中 市の情報をもっと身近に」を見ると、6月17日にページが更新され、【LINE株式会社の個人情報の取り扱いに対する対応】が、ページの後半に追いやられています。
 三原市役所内に、次に掲げた無料会員でも読める記事に目を通した職員は、誰一人いないのでしょうか。
◎「正確な情報発信の姿勢不足」 LINE問題で中間報告
 https://www.asahi.com/articles/ASP6C758ZP6CULFA019.html



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