お勉強備忘録⑨ アザチオプリン
忘れないように。きになったところだけ
よく聞く名前だけど、実はなんなのか深く調べたことが無かった薬。
カルシニューリン阻害薬とかと比べると適応疾患も狭いし、自分で使ったことないし。
なんなら5ASAだと思ってた時期すらあるそんなお薬。
なぜ今勉強するのか。
2018年妊婦禁忌から外れ、2019年に副作用(高度白血球減少、全身脱毛)にかかわるNUDT15遺伝子多型の検査が保険適応できるようになってアジア圏ではより安全に使えるようになったらしい。
古い薬で他の分子標的薬にくらべて圧倒的安価ということもあり、遺伝子多型に対して個別に用量調整なんて研究している人もいるみたい。
概要
チオプリン系(アザチオプリン、メルカプトプリン、チオグアニン(日本未))という枠。メルカプトプリンのプロドラック。代謝されて6-MP(メルカトプリン)になることで核酸合成阻害、免疫抑制作用する。
薬剤としてのメルカプトプリン(ロイケリン)は急性白血病や慢性骨髄性白血病に適応がある。
キサンチンオキシターゼを経由しているのでフェブキソスタット、トピロキソスタット併用禁忌。尿酸薬ではアロプリノールもキサンチンオキシターゼ阻害作用があり併用注意のため高尿酸血症持ちは尿酸産生阻害薬に注意する。
他にもワーファリン、エナラプリル・カプトプリル、メトトレキサート、リバビリンなども併用注意薬にあげられており留意が必要である。
適応疾患
・臓器移植の拒絶反応抑制
・ステロイド依存性のクローン病の寛解導入及び寛解維持並びにステロイド依存性の潰瘍性大腸炎の寛解維持
・治療抵抗性のリウマチ性疾患(全身性血管炎(ANCA関連血管炎や高安動脈炎など)、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、皮膚筋炎、強皮症、混合性結合組織病及び難治性リウマチ性疾患)
・自己免疫性肝炎
代謝
アザチオプリンは生体内ですみやかに6-MPに分解され、さらにキサンチンオキシダーゼ及びTPMTによって代謝された後、尿中に排泄される。
最近の話
もともと欧米では代謝に関わるTPMT活性、遺伝子を測定することで投与量を決定するガイドラインが確立されている。
が、日本人、アジア人はTPMT活性が総じて低い。さらに炎症性腸疾患では5ASAがTPMT活性をさらに下げる。これらからチオプリン系の用量は欧米と比して少なく設定されているし、TPMT遺伝子変異も日本人は少ない。
それでも重篤な白血球減少、全身脱毛がアジア人に多い。いったいなんだんだ!?となっていたところに発見された原因となるNUDT15 遺伝子多型。
アザチオプリンをよく使う小児急性白血病分野や炎症性腸疾患分野はこれでもっと安全に使えるぜと大盛り上がり。
ということらしい。
日消誌 2020;117:195―207
まとめ
NUDT15 遺伝子多型の発見はアジア人のアザチオプリン使用に対して一つのブレイクスルーであり、今後も用量などいろいろ変わる可能性はあるかもしれないとのことです。
副作用のすべてをNUDT15 遺伝子多型で説明できるわけではないのでいろいろハードルはあるみたいですが。
ANCA関連血管炎の寛解維持療法は新薬、MPAのアバコパンやEGPAのメポリズマブがでてますが、薬価を考えるとアザチオプリンも十分選択肢になりそうです。日本の場合、高額医療費や難病などのサポートもあるのでそこまで薬価に困らないかもですが。
勉強始める前は「チッ、よくわからん薬め!」くらいのとっかかりでしたが、意外と新しいトピックスもあり、ちょっと面白く感じました。
良くなる疾患が増える、症例が増えるといいなと思います。
でもやっぱり私が処方する機会は無い気がする。。。
アザチオプリン服用中は尿酸薬に注意しよう!が私の心に留める一番のキーワードです。
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