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Roku. Creditを終えて。



Roku. Photo Exhibition "Credit"
2021/12/16 - 2021/12/19

閉幕しました。
この6人は最初で最後です。

たくさんの方々が訪れてくださり、嬉しい限りです。ありがとうございました。



Roku.の一員として、かれこれもうかなりの日数が経ちました。

思えばRickyさんとJWさんと夜な夜な写真について語り明かした日から、なにか変わっているものもあったり、変わらないものもあったり。

今回、Creditを開催するにあたり、
わたしの写真に対する心境の変化をここに記しておきたいと思います。

私の備忘録ですので、読みたい方だけお付き合いください。












語り明かした夜、写真に対する熱い話をした記憶はありますし、他のお二方の話は覚えていますが、
私自身が何を言っていたか、いまいち曖昧な部分があります。

なんて言っていただろうか。
おそらく、その時を切り取りたい、残しておきたい、そんなことを言っていた気がします。

そうなんです。
記憶って、記録しないとなくなるんですよね。
そういう風にできてるんです。

だからこそ、思い出をちゃんと思い出として、記録したい。

たしかそんな感じだったと思います。

そこから写真に対して熱くなれる場所を作ろうということで、Roku.が結成されました。

私自身、大阪に来てからは
あまり写真に対して熱くなれる女の友達はちゃんとできていませんでした。

正直、同性の熱くなれる友達、とても羨ましかったです。

だからこそ、Roku.という場所は幸せです。
sueちゃん、静紅ちゃん、彩ちゃん。
私になかった存在となりました。

オンラインで顔合わせしたり、
参加できなかったのもあったけど何度か撮影会したり、
女子だけでスタジオ借りてみたり。
すっごい楽しかったです。ありがとうございます。





Roku.とは別に、大学の写真部にも所属しています。

撮影会があったり、お仕事の依頼があったり。
重要なポストにつかせて頂いているので、忙しいこともちらほら。

そこでは、人間関係、あまりうまくいってるとは言い難い状況に陥ることもありました。

妥協とか、納得いかないこととか、
わたし嫌いなんです。

100納得できるものを、何でも、特に任されたことやお仕事はしたいし作りたくなっちゃうんです。

頑固な部分も不器用な部分もあるので、しょっちゅう壁にぶつかっちゃって。

気がついたら、暗い小さな部屋の中で1人になりたくて。
そこらへんの紙を無意識にぐちゃぐちゃに割いたり、シャーペンをぬいぐるみに刺したり。

夏頃ですかね。どうしていいかわからなくなっちゃいました。

大好きだったファインダーを覗くことさえ、辛くて辛くて。

自分の写真見るのも嫌で。

何度も撮った写真を見ては泣いて、苦しくて、体調も崩しちゃいました。

もう最悪、どうしてこうなるんだろう。
なんで?

頭の中でぐるぐるぐるぐると
何を考えても消えて、その度にまた別の黒いもやもやが出てきて。

たくさんの人を傷つけたし、迷惑かけたし、自分自身もズタズタでした。

こんな時にもわたしを救ってくれたのは、写真(と知らないおっちゃん)なんです。

部活の写真展で自分の写真を印刷しつつ、備品カメラの作例を撮らないといけなくて。

この日、雨降ってたんですよね。
家から片道30分、当時いつも写真印刷をお願いしていたところまで、泣く泣くカメラを首からさげて歩きました。

途中で交通整理しているおっちゃんに話しかけられました。どうやら私、轢かれそうだったみたいです。

「姉ちゃん、そんな下向いて歩いとったら轢かれんで!…なんや姉ちゃん、いいカメラ持っとぅやんかぁ。なおさら周り見て歩きぃや〜」

北海道出身のわたしからしたら
コッテコテの関西弁でした。

「あ、すみません…。雨の中、お疲れ様です。」

「立ってるだけでお金出るから楽やねん!」

それから数分間お話して、また写真屋まで歩きました。カメラを構えて。

行きは、正直ファインダー覗くのが辛かったです。全く楽しくなかった。

写真屋で適当に印刷した写真を受け取って、帰り道。

雨やんでました。
周りに水溜り、草には水滴。
陽射しが差し込んで、キラキラしてました。

なんか、シャッター切りたくなったんですよね。

行きとは全然違って、お家に帰るのに数時間経ってました。

ショッピングモールのカートが1人、坂道でカラカラっと動いて柵にぶつかってました。

私も1人なのに、思わず笑っちゃいました。

夢中で1人のカートをシャッター切って、私みたいだなぁ、滑稽だなぁって、愛しくなりました。

帰り道に大きな川があるんです。

橋からの景色がきれいで、それもシャッター切って。

雨降ってたし危険水位超えてないかな、なんて確認したりして。

超えてたのは私の方なんだよなぁ、とか思ったり。

こんな雨の日にカメラ持って歩く事自体、部活の備品壊しにいってるだろとしか思ってなかった。

けど、素敵なおっちゃんと素敵な景色に出会って。

その時の気持ちを切り取りたくなったんです。

なんだか小説の中の話みたい。

写真のちからを感じました。

部活のD5500、ビショビショになって耐えてくれてありがとう。





特に何も考えず、シャッター切ることってあると思うんです。

少なくとも私はだいたいそうです。

あんまり考えてないです。

現像フィルムが返ってきたときに、
こんなこともあったなぁ、
意味わからないもの写ってるなぁ、
友達いい表情してるなぁ、
なんて思ったりします。





もうそろそろRoku.で写真展の話を本格化しようか〜なんてなったときに、

私の写真のテーマ「記憶は泡沫、追憶を辿り。」って、なんなんだろうって思いました。

マイタグ「#記憶は泡沫追憶を辿り」を作成したのは今年の7月8日。
当時の彼氏と別れた直後でした。

記憶は記録しないと忘れる。

これはどんなときも私の中で共通してて。

元カレとの記憶はいくらでも残ってました。

互いの写真たくさん撮って、
互いの写真が好きだったから。

元カレのこと、好きな状態で別れて。
写真の整理に困りました。

記録から記憶が蘇るから。

楽しかったことも辛かったことも、
ほぼ思い出せました。

ああ、記憶って記録があれば
こんなにも鮮明に思い出せるんだな。
私はシャッターを切ることで
記憶を思い出として残しているんだな。

なら、いつまでも思い出せるように
記録し続けよう。

写真を見返したら
私の人生がわかるなんて
そんな大げさなことは言わないけど

少しでも過去の自分が見て感じたことを
残しておきたいと思いました。





写真展の準備を始めてから、
自分の写真と向き合うことが多くなりました。

自分の写真の魅力ってなんだろう。
私にしか表現できないものってなんだろう。

他の5人は、写真に個性があります。

彩ちゃんは、青く透き通るような、キラキラとした世界観が素敵で、だれも真似できなくて。

Rickyさんは、4年間の写真観の移り変わりのグラデーションが素敵で、どこか「影」を感じることができる作品ばかりで。

sueちゃんは、普段眼にうつるものをきれいに残すことが得意で、懐かしさをこちらも感じることができて。

JWさんは、アートを思わせる、ハッとする独自の世界観で見る人を魅了させることができて。

静紅ちゃんは、抽象的な表現からこちらの想像力を掻き立てられるような、ふわっと掴めそうで掴めない雰囲気が素敵で。

私って、なんだろう。
私の写真には、どんなちからがあるんだろう。

展示写真を選別する際に、PCを開いては数十分で数枚選んでは壁にぶち当たって閉じて。

夏とは違う、自分の写真と向き合うからこそ、Roku.にいるからこその壁でした。

会期は迫ってきてるのに全然写真が決まらなくて、焦りもありました。

どうしようどうしよう
自分だけ完成度が低すぎる

不安しかなかったです。

結局、写真を選別し終えたのは会期の一週間前。
かなり熟考しました。

どうやって選んだか。

私の記憶をくすぐってくるものを選びました。

単純に私の好き嫌いもあります。

記憶を記録してるもの。

私の記憶なんか追体験しなくていいけど
「これが私」ってなるものを。

だけど、不思議に思ったんですよね。

どうして記憶じゃなくて作品撮りしてるものもあるんだろう。
なんで私って作品撮り好きなんだろう。

世界観を作り出したら記憶ではないのではないか。
でもどこかあのときを思い出す。

答えは、比較的すぐわかりました。

記憶って、目の前に起きた事実だけで構成されているわけではない。
私の思ったこと、感じたこと、考えたこと全てが記憶なんだと。

作品撮りは、私が過去に思ったり感じたりしたことを投影させています。

こんな気持ちになったときにこんなイメージが湧いてきた。
説明できちゃうことに気が付きました。





最近、デジタルでは作品撮りを、フィルムでは日常を写したいななんて、
用途分けするようになってきました。

フィルムで日常なんて、しかも連写するので、これからかなりお金がかかりますね。恐ろしい。

デジタルでは私の胸の中を的確に表現できる方法、フィルムは日常を素敵に切り取れるし形として残ることが素敵な方法だと思っています。



会期中、なんだか涙脆くて、
何回泣いたかわからないです。

3日目の夜の地下鉄で、
あまりにも明日が来ないでほしくて涙が出ました。

Rickyさんや一緒にいた先輩を困らせてしまいました。すみません。



Creditに思い入れが強くて。

Rickyさんには私が大阪に来てから
ずっとお世話になっています。

いろんなところに連れて行っていただいたり
美味しいご飯食べさせていただいたり
時には体調が優れないときに心配してくださったり。

Roku.以外にも
大変お世話になりました。

部活も同じで
様々な相談にのっていただいたり
助けていただきました。

しかし、
コロナの影響で
本来なら思い出に残るような部活のイベントを
一緒にすることはありませんでした。

残念だけどしょうがなくて
心残りでした。

だからこそ、
今回このような形で
ともに活動することができて
本当に本当に嬉しいです。

ようやく果たせました。

そして、JWさん。

Rickyさんに紹介していただいて知り合いました。

関わった期間は短いものの
人には言いにくい相談や
写真に対してのそれぞれの想いなど
たくさん聞いてくださって語りました。

特に仕事に対する考え方が似ており
先輩としてたくさんのアドバイスをくださいました。

写真に対して人一倍熱い気持ちを持っていて
全ての面でかっこいいなと思っています。

このお二人と語り明かしたあの夜から、
こんなに素敵なメンバーに出会って、
最高の空間を作り上げることができるなんて。

夢にも思ってなかったです。

語り明かしたメンバーの2/3がいなくなってしまうことが、
私の中でとても悲しくて。

もう終わってしまうのか、と
年の差を恨みました。

また語り明かしたいです。

Rickyさん、JWさん
本当に尊敬しています。

恥ずかしくてなかなか直接言えないので
こちらで言います、、

大好きです。
今までありがとうございました。

卒業しないでほしいです。
いなくならないでください。



最終日の夜、
片付けが全て終わり、
Rickyさんが部屋の電気を消してドアを閉めた瞬間

ガラスの向こうの暗い空間に
終わってしまったのか、と
胸が締め付けられました。

その後も飲んで解散するときに
sueちゃんと静紅ちゃんとお別れするとCreditが完結してしまうような気がして
また涙目になっちゃいました。

まだ終わらないで。
いつまでも続いていて。

でもね。
sueちゃんと静紅ちゃんと
新Roku.ではこんなことしたいねあんなことしたいねって
たくさんいろんな展望を描きました。

彩ちゃんとはまだちゃんとお話できてないけど
たくさんやりたいことやろう。

去っていくお二人の背中を見送るのは
なんだか寂しくて胸がギュってなるけど

未来も未来で楽しいのかもしれない。







今回の展示は94点。

記憶の塊ごとに分けて展示しました。

1枚1枚の配置にもかなり拘り、ギリギリまで考えました。

ドライフラワーも、過去の記憶がきれいに残ることを投影させています。

主に大学生になってからの写真を中心に展示しましたが、
嬉しかった記憶も辛かった記憶も、
全て展示しました。

伝わっているかな。伝わってたらいいな。

私の記憶、いつまでも泡沫だけど
追憶を辿ると、大事にしているものが見えてくるの。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

最後に、今回の展示に手書きで添えていた文章を留めておきます。





















---------------

記憶は泡沫、追憶を辿り。

一瞬を切り撮って、
あの日を思い出してしまうような。
物語の続きを想像してしまうような。



誰にだって思い出はあるし、その時の気持ちだって覚えてる。

大好きな人と旅行に行けて楽しかった。
友達が誕生日を祝ってくれて嬉しかった。
他の人のミスで怒られて悲しくなった。
彼氏でもない人と一晩迎えて苦しくなった。



ある本を読んだ。
暗くて、醜い話。
読み切れなくて、閉じてしまった。

ある時も本を読んだ。
綺麗な海辺の話。
それも飽きちゃって、閉じてしまった。



楽しい思い出も苦しい思い出も
どこかの物語の続きも
ふわっと頭に浮かんでくる。



私の切り撮る意味。
記憶は泡沫、追憶を辿り。 

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pikka.






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