【週末投稿】つれづれ有用植物#235(クワ科パンノキ属:パラミツ/コパラミツ)
輸入ショップコーナーなどで、シロップ煮缶詰、チップスや乾燥果実として「Jackfruit(ジャックフルーツ)」という名前で見かけた方がいるかもしれない。日本ではパラミツ(波羅蜜)と呼ばれ、東南アジア、南アジア、アフリカ、ブラジル等で果樹などとして栽培されている。日本では生の実を売っている所は極めて稀なので、あまり知られていない熱帯果樹だ。
以前ボランティアで熱帯性気候であるフィリピンの村を歩いていたら、小さな家の庭にジャックフルーツの実が当たり前の様にぶら下がっているのを見かけた事があった。
日本ではパラミツが海外から輸入される事で、日本国内を脅かす恐れのある害虫や病気等の侵入を防ぐため、厳しい検閲によってひと昔前までは輸入が禁止されてた時代もあった。しかし最近は海外産地の品質管理が向上した為輸入が出来る様になった他に、沖縄県でも栽培されるようになった。
それでも未だにパラミツは日本で珍しく、それに関する食文化もないため、「珍しい果物」として客寄せ目的で?? 生の実を販売している所が出てきた感じがする。
パラミツは常緑の高木で、幼木の葉は切れ込みが入りクワの葉に似た形になりますが、成木になると切れ込みがなくなり「全縁」になる特徴があります。幹や太い枝に連なってぶら下がる果実は長さ70cm、幅40cm、重さ40-50kgに達することもあり、世界最大の果実といわれる様です。
■重さ40kgのジャックフルーツは野菜として使える(Facebook)
野小妹 Wild girl 様
果実の表面には数mmのいぼ状の突起があり、熟すと全体に黄色になり、強烈な甘い匂いを放ちます。繊維状にほぐれる淡黄色から黄色の果肉や仮種皮を食用にします。種子は2cmほどのやや長円形で、これも食用になります。
果実のすべての部分に粘着性の物質が含まれているので、果実は手袋をして切るのが基本です。
細かく分類すると、パラミツとコパラミツ(ヒメハラミツ)があり、実の大きさ、突起物の度合い、完熟時の甘さや芳香の強さに違いがあるそうです。
果肉は長時間煮込むと一本一本の繊維に分解され、ゆで豚のような味になるそうです。繊維には健康的なタンパク質が含まれているため、ベジタリアンやビーガンの間では、肉の代替品としても用いられています。
ただしアレルギーの原因となる場合があるそうで、初めて扱う方は慎重にした方がよいかもしれません。過敏症の方は注意が必要です。食べたり、処理したりしないでください。
■ジャックフルーツ(パラミツ)の食べ方(3分強)
🇳🇵日々のネパール情報 様
■気絶寸前の臭さ!耐え切った男しか得られない最高級の美味さ(16分強)
農の共有 ~けんゆーの農ライフ!~ 様
■その他の利用
木の根、葉、樹皮は、症状の緩和や健康増進に役立つ薬用煎じ薬や煎じ薬を作るために使われているそうです。
木材は建材、家具、仏像、印鑑の他、ガムランなどの楽器に利用されています。材は仏僧の法衣などの黄色の染料に使われている様です。
同じパンノキ属には、パンノキという植物も利用されている。
以下で紹介しているので興味のある方は読んでいただけると幸いです。
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