転々、と。
起承転々。
来週発売の、松尾太陽さんのフルアルバム「ものがたり」のラストを飾る1曲がラジオで初解禁された。その曲のタイトルが、起承転々。
結ぶのではなく、転がっていく、つまり続いていく物語の歌。
松尾太陽さんの歌声は本当に凄いと思う。柔らかくて強い。プレッシャを与えることなく、包み込むように強い。そして、弱さから逃げない強さを感じる。
歌詞に込められた想いの伝わり方も本当に鮮やか。歌詞が流れるだけではなく、言葉ひとつひとつの力を感じる。太陽さんが歌うと、言葉ひとつにたくさんの想いを感じるのと同時に、言葉にこびりつく余分なものが洗い流されて、澄んだ状態の言葉そのものが持つ輝きを感じる。
大丈夫、それでも、何度でも。
そう言った言葉を介して、明るい方を指し示してくれる温かい手が見えるような素敵な歌声。
続いていく終わりのない物語には、続いていくことが望まれている物語もあれば、終わることができなくなった何かを見失った物語もあると思う。
でも、どんな物語でも、自分のものだと大切にしていきたくなるような、そんな素敵な曲だった。
ものがたりのリリースが待ちきれない。