支部名人戦・個人戦を振り返って

 こんばんは。

 今日は2023年2月19日に実施された,支部名人戦・個人戦の振り返りです。

 こんなことを言うと怒られそうですが,この大会は直前になって出場を決めたので,準備が不十分な状態で参加することになりました。加えて,前日の睡眠時間が短く,ボロボロな状態で大会に参戦しました。


支部名人戦とは?

 数多くの大会が実施されている中で,この大会は日本将棋連盟の支部会員でないと参加できない大会になります。
 この大会を実施する大きな目的の一つに「支部会員を増やす」というものがあります。というのも,日本将棋連盟は公益財団法人。国から「伝統文化の発展と普及に寄与する」といった趣旨の活動に対して補助金をもらっているわけですが,普及の目安としてわかりやすい支部会員の数が減ってしまうと,「おや?本当に普及してる?」となりかねません。ということもあり,将棋連盟としても,「お友達誘って支部会員なって,大会出ようぜ」的なことを推してくるのです。(あくまでもお偉いさんの説明をかみ砕いて説明するとこんな感じ,ということです)


 そんな背景はさておき,肝心の対局の振り返りへ。

 今回の大会は1勝勝ち抜け2敗失格の予選を行い,その後に決勝トーナメント,という形で行われました。出場者は殆どの方が初段以上はあり,かなりハイレベルな戦いが予想されました。


予選1回戦 対三間飛車

 予選1回戦は,以前に対局したことのある振り飛車党の方。本局も対抗形になりました。


無理な仕掛けを的確に咎められて苦しくなった

5筋の歩を交換し,風通しを良くしておいたのが工夫でしたが,本局では裏目に出ました。現状3筋の交換をしたところでしたが,タイミング的には最悪でした。以下8五歩から押し込まれて苦しくなり,そのまま押し切られました。


予選2回戦 相居飛車

 気を取り直して2局目。相手は小学校5年生。小学生だからと侮るなかれ。最近の小学生は攻めが鋭く,簡単には受けきれないので要注意なのです。

 本局は相居飛車になり,角交換を拒否する形になりました。


角交換拒否

局面の良し悪しはさておき,7四歩から矢倉風に指してくるのかと思ってましたが,実際には4三金右から陣形整備を優先してきたので,すかさず6五歩で角の引き場所を制限。それと同時に5七~6六と銀を繰り出せるので,早い展開には角を4六~3七に移動して相手の動きを牽制し,ゆっくり来るなら7六と6六に銀を並べて手厚く指そうと考えていました。


ガッチリ守る

 キレイに駒が捌けて,何か事件が起きれば入玉する準備も…と言いたいところですが,ここからは普通に寄せ切りました。何とか予選は通過。本戦の組み合わせ抽選を終局直後に行いましたが,どうやら自分の相手は道内最強クラスの方。以前に中村太地プロに勝利したこともある方です。どうするかなぁと考えながらオニギリをムシャムシャ…

本戦トーナメント1回戦 対三間飛車

 やってきました,トーナメント1回戦。相手が強いのは知ってます。多分道内の愛棋家で,お相手の方を知らない人はいないと思います。
 そんなことはさておき,結局三間飛車を相手することに。1局目と異なるのは,相手がノーマルの美濃囲いのまま玉頭戦になったこと。実はヤマヤが格上に勝つ時に多いのが,①覚醒して豪快に寄せ切る ②玉頭戦に持ち込むのどちらかなのです。「ワンチャンないかな? 相手は角と銀しか使わない抑え込みだし,もしかしたら?」と思い指し進めました。


自由奔放なのは相手が誰であろうとも変わらない

 上の局面から,2四銀→3四玉→3五銀→2三玉を繰り返しました。「連続王手の千日手」です。棚ぼた勝利となりました。恐らく会場の誰もが僕の敗退を予想していたでしょう。
 余談ですが,上の局面はまだまだ居飛車指せると思ってました。けれど,周りのギャラリーの多くは「振り飛車を持ちたい」とのこと。実際にソフトに検討させても三間飛車が勝つのは難しく,他者の大局観・ソフトとの付き合い方も難しいのかなとも実感する一局になりました。

 2回戦進出。次の相手は元奨励会員のようです。

本戦トーナメント2回戦 対居飛車持久戦

 やってきました2回戦。相手の方は現役高校生にして元奨励会員の方です。1回指してみたいなと思ってた方だったので,対戦できると知ったときは嬉しかったですね(ちなみに,奨励会は入会するだけでもアマ四段∼六段くらいは必要とされています。僕はアマ初段です)。相手が強ければ強いほど,ヤマヤは燃える男です。

 ということで,昔から指し慣れている向かい飛車をぶつけました。


行くしかない

相手が元奨かどうかに関係なく,まあ無謀な攻めですよね。けど行くしかないんです。▲4五歩。以下△同歩に一旦▲3八金で脇を締める手に△8六歩。▲同飛はさすがにマズいので▲同角。△6六角はワナなので△5五銀で,▲4五銀。この銀の応酬で悪くした気がします。結局押し切られて負け。わずか500円の参加費で対プロ勝利経験のある方と,元奨に教わることができたので嬉しかったです…と言いたいですが,やはり勝ちに来てる以上,相手が誰であっても負けるのは悔しいですね。勝てる可能性がゼロではないですし,「勝てなくても仕方ない」と思うなら最初から出なきゃいいので,出場すること自体相手に失礼な話ですから…(ちなみにそんな考えのヤマヤは,団体戦での人数合わせをメチャクチャ嫌がります。出る以上は勝ちを狙えよ,何しに行くんじゃ?と。)


まとめ

 ということで,本戦トーナメント2回戦敗退です。
 今回は小樽支部の会員で参加しました。今まで背負った肩書を思い返すと,旭川中央支部,道北代表,旭川代表,小樽商科大学選抜(朝日杯),北海道代表など。「小樽支部」は初めてでした。結果は素直に喜べるものではありませんが,恥ずかしくない将棋を指せたかなと思います。

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