わざとじゃないよ
「部下が仕事を覚えてくれない時、腹立ちませんか?」と質問されました。
私は、腹はまったく立たない。
むしろ、アイツ仕事できないから腹立つ、
と言っている周りに腹が立つ、と答えました。
その後付け加えて、仕事が出来ないことに最も困っているのは、私でも会社でもなく、当事者である本人だから、と伝えました。
私のこの考え方は、ちょっと変わっているのかもしれません。同じように考えている人を、見かけたことがないからです。
私の根底にあるのは、言葉を持たない子を育てた時の
経験です。
意思が通じない、一見わがままな態度に見える。
親や周囲の人間は、実際に困り果ててしまう。
なので、つい厳しく当たってしまいます。
こちらも余裕がないので…。
でも、思ったのです。
絶対に、わざと困らせようとしているわけじゃない。
上手くできない自分に困っているのに、その事も上手く表現できないし、伝える術もないのだと。
確かに、受け手のこちらにも限界はありますが、
ワザとやっていそうなこの態度にも、きっと訳があるのだろうな、と思い観察するようにしていました。
他人を困らせて一番困っているのは、
本当は困らせている本人なのかもしれない。
今でも、それを見極める力を養いたいと思っています。