消えた月に見守られて
早めに仕事を終えて、車で子供たち2人を眼科健診に連れて行きました。小さい頃から何度も行き慣れたお医者さん。
診療所は、以前住んでいた隣町。通常なら30分程度の道のりですが、渋滞にハマって進めない。
子供たちは、「もう無理じゃない?」とブツブツ呟く。受付終了時間に、間に合いそうもなくなってきた。
イライラが始まる。
(何で進まないんだよ…)
(せっかく出てきたのに)
(あー割り込んできた!)
さあ、イライラしてきたぞ、と。
先の見通しが見えなくて焦る気持ちと
せっかく時間作ったのに無駄になるという気持ち。
今を楽しむ、今を生きるのなら、渋滞中の車内も楽しめるはず…。あームリ。だけどちょっと冷静になれた。
ひょっとして多少の遅れなら、受け付けてくれるかも?
このまま途中で引き返すのも、もったいない…。
10分遅れで到着して、受付に顔を出す。
ダメですか…?
はい、お時間過ぎてしまいまして…
諦めがついた。スッキリした。
やるだけやったし、途中で引き返さないでよかった。
帰りは、無意識のうちに別のルートを走る。
以前よく行っていた大型店舗が見えてきた。
あ、懐かしいな。トイレ休憩に立ち寄ろう。
数年ぶりに訪れた。懐かしくて子供たちも自分が小さかった頃を思い出して、ちょっとうれしそう。
ひと通り見て回り、あのお店無いね、ここは変わってないね、うわー懐かしい〜、と満足顔。
すると、ハローキティのポップコーンのメロディが聞こえてきた。天国にいる下の子が大好きで、いつも機械の前を離れなかったな。
もう、高校生の上2人も同じ気持ち。
買っていこうか。塩味だね。
家に戻る頃には、イライラなんてどこかに行っちゃいました。眼科には、また後日行けば良いもんね。
今夜は月食だった。子供たちと一緒に、不思議なお月様を見ることが出来た。そういえば、子供たちとこんな会話をするのも久しぶりだな…。、
玄関に入って行く姿を見て、あと何度こんな時間を過ごせるのかな?って思いました。
あの子の月命日、不思議なお月様に見守られながら幸せな時間を過ごせました。
ありがとう…
今日も元気だよ。