歌人へのプチ★しるべ 睦月都『Dance with the invisibles』(2023) KADOKAWA
資料 朝日新聞2024年7月17日
「春雨の寂しさに心細る日、鯨がこの世に存在する理由を神の意図と感受すること。枕元に寄り来る猫の気配を、中央アジアのロブ・ノールと思い描くこと。鋭敏な感性は言葉を得て鮮やかに詩を立ち上げる。睦月都は見えぬものとダンスするように詩を出現させるのだ」(M M)
(「水・晶・空・間」『プチ★モンド NO.123 2024秋冬号』より)
プチ★モンド歌会の中で紹介された歌人・歌集です。角川短歌賞の受賞後、6年の時を経ての第一歌集。「見えらざるものどもと踊れ」――哲学的なタイトルが歌人の想いや伝えずにはいられないことを集約しています。哲学を意識しているのではなく、歌人のものの見方、世界とのかかわり、生き方そのものが哲学(このことばで形容したくないのですが、そう表現するしかありません)なのです。そしてその生き方が真っ直ぐなことばとなって読み手の心をえぐります。自身を飾ることなく、オープンにさらけだすことの強さが歌から伝わってきます。ことばが必死で生きている様が感じられる歌人であり歌集です。
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