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マウリキリバスキッチン渋谷3号店


マヒマヒのグレーズ

渋谷の街を歩いていると、世界中から集まる多彩な料理店に出会うことができますが、そのなかでもひときわ珍しい「キリバス料理専門店」を見つけました。正直、キリバスという国そのものがあまり馴染みがなかったので、どんな料理が楽しめるのかまったくイメージが浮かばなかったのですが、一度足を運んでみるとその魅力にすっかりハマってしまいました。今回はそんなレアな南太平洋の島国・キリバスの料理を味わえる、渋谷にある素敵なお店をご紹介します。

キリバスは太平洋にある小さな島国で、魚介やココナッツを中心とした食文化が特徴と言われています。このお店でも、海の恵みやココナッツミルクを活用した料理が豊富にそろっているのですが、特に私の心を掴んだのが「カレーっぽい見た目の煮込み料理」。見た目は日本のカレーに似ているものの、実際に口に運ぶと全く違う独特の風味が広がります。ココナッツミルクとスパイス、そして魚介出汁のバランスが絶妙で、甘さと辛さが複雑に入り混じった奥深い味わいになっていました。

この料理では具材として鶏肉を使っているとのことでしたが、現地では魚介を合わせることも多いそうです。だからこそ、カレーのようでカレーではないという不思議な感覚がありながらも、どこかホッとする家庭的な味わい。日本のカレーと同じようにご飯との相性が抜群で、お皿の上にたっぷりと盛られたライスにスプーンでのせていただくと、スパイスがほんのり香りながらも南国らしいまろやかさを楽しめるんです。ココナッツミルクを使用しているので少し甘みがあり、それがクセになるポイントでした。

店内はこぢんまりとしていながらも、南国ムードを感じさせる装飾が印象的でした。キリバスの国旗や島々の写真、そしてスタッフの方の温かい笑顔がお店全体の雰囲気を作り出しているように思います。日本語での対応はもちろん問題なく、料理の由来や材料、調理方法などを尋ねると親切に説明してくれました。実際に現地に行ったことがある方の体験談や、キリバスならではの文化の話なども伺えるので、食事をしながら小旅行したような気分を味わえます。

私が訪れたときはランチタイムでしたが、料理の提供スピードもちょうど良く、落ち着いて食事を楽しめました。カレー風の料理以外にも、グリルした魚介のプレートやタロイモを使ったサイドメニューなど、興味深いメニューがたくさんあり、南太平洋の“おうちごはん”を色々楽しめるのが魅力です。どれも派手さよりは素朴な味わいが中心ですが、その素朴さこそがキリバス料理の真骨頂かもしれません。海の幸やココナッツの香り、そして自然を大切にしてきた伝統が、料理の一品一品から伝わってきます。

また、デザートとしていただいたココナッツプリンのような甘味も絶品でした。ココナッツと黒糖が合わさったような優しい甘さで、くどさはまったくありません。これを食後のコーヒーや紅茶と一緒にいただくと、なんとも贅沢な気分になります。量的にも日本人にはちょうどいいサイズ感で、「もうちょっと食べたいな」と思わせるところが逆に心地よく、次回はもう一品なにか頼んでみようと思わせてくれました。

実際にこのお店を訪れてみて感じたのは、「まだまだ知らない世界の料理が、都内には隠れているんだな」という驚きです。最近は世界各国の料理が日本にも入ってきていますが、キリバス料理はその中でもとりわけ珍しい部類に入るはず。だからこそ、ふらりと立ち寄っただけでも話のネタになるし、味だけでなく文化の一端に触れられる貴重な機会になります。お友だちとのランチやディナーで「最近面白いお店ないかな?」と探している方にとって、このキリバス料理専門店はかなりおすすめです。

なお、場所は渋谷駅から徒歩圏内。若者や観光客が多い繁華街の近くですが、少し落ち着いたビルの一角にあるので、わいわいガヤガヤした街並みから抜け出して、まったりとした時間を過ごすにはうってつけです。営業時間や定休日は変動があるようなので、訪れる際はSNSや公式サイトなどで最新情報をチェックするのがいいでしょう。お店自体はこぢんまりしているため、予約をしてから行くと安心です。

最後に、特に私がイチオシしたいのは「カレーっぽい煮込み料理」です。日本人好みの味わいに近いけれども、どこかエキゾチックな要素があって、新鮮な驚きがあります。スパイスの辛さにココナッツのまろやかさが加わることで、口当たりは優しくも深みのある仕上がり。家庭的なカレーを思わせる安心感と、南太平洋の風を感じさせるトロピカルな余韻が合わさった絶妙な一皿なので、初めての方はぜひオーダーしてみてください。

レアな料理に出合えるだけでなく、スタッフの皆さんも気さくでフレンドリー。異国の文化をちょっと味わってみたい、珍しい料理を体験してみたいという方には本当におすすめです。渋谷で新しいグルメを開拓したいとき、ぜひ思い出して立ち寄ってみてください。きっと、ここでしか味わえない島国の温もりに包まれて、幸せな気分になれるはずです。

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