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尿膜管遺残症について〜その1〜発症発覚

2011年の1月、仕事中の私はお腹に違和感を感じた。

「なんかお腹が冷たいなぁ」

服をめくって見てみるとインナーが濡れていておヘソから黄土色の膿が出ていた…

匂いを嗅いでみるとう○ちみたいな匂いがする。

今までこんな経験したことが無かったので頭の中が真っ白になった。

幸いなことに痛みはない。

仕事が終わってから私は急いで大きな病院へ行った。

受付のお姉さんに「何科ですか?」と聞かれたが何科に行けば良いのかは私が知りたい!

とりあえず私は「おヘソから膿が出てるんです」と伝えた。

30分ほど待って外科の先生に診てもらえることになった。

先生から「ヘソを弄ったり、変なことしました?」と聞かれたが、別に最近ヘソを弄ってないし、ヘソに関する変な性癖も私には無い。(ヘソに関する変な性癖ってなんだ…)

血液検査の為、採血して次にハサミみたいなオペ道具でヘソを広げられた。(無理やり広げられるのでめちゃくちゃ痛い)

先生「痛いけどちょっと我慢してねー」

ヘソの中を綿棒でグリグリされる。

私「痛いー」

先生綿棒の匂いを嗅ぐ。

激痛の中、自分の恥部を嗅がれてるみたいでなんだか恥ずかしい私…

先生「なるほどねぇ…」

↑(ここのやりとりだけ見るとマニアックな官能小説みたい)

ヘソを弄られ激痛に耐えながらCTも撮り、再び先生のいる診察室へ。

先生「尿膜管遺残の症状ですね」

私「にょうまくかんいざん?」

尿膜管とは

胎児期の赤ちゃんは臍の緒で母体の胎盤とつながっています。この臍の緒を通じて母体から酸
素や栄養をもらったり、二酸化炭素や老廃物を排出したりしています。このような臍の緒を通じた
物質のやり取りのため、胎児期の赤ちゃんには成人とは異なる構造があります。膀胱からは腹部
の正中を通り臍に向かって管が存在します。これが尿膜管です。一般に尿膜管は出生時には自 然に閉鎖されるといわれています。

尿膜管遺残とは

尿膜管遺残症はこの胎生期の尿膜管が生後も閉鎖せずに残った状態の疾患です。
【頻度】
出生直前の約50%の赤ちゃんではまだ尿膜管が残っているとの報告もあります。自然に閉鎖さ れるといわれる尿膜管ですが成人の約2%に尿膜管遺残症を認めるとの報告もあります。稀です が0.17~0.34%に尿膜管癌が発生するという報告もあります。
【症状】
本症は無症状で経過することもありますが、時に臍からの尿の漏出・臍周囲の炎症・腹痛などが 出現します。新生児期から小児期に症状が出現する症例だけでなく思春期から成人期に初めて
症状が出現する症例も少なくありません。また、閉塞した尿膜管が、感染(化膿)・膀胱内圧上昇 などで再び開くこともあるといわれています。感染が悪化すると腹膜炎になることもあります。
【診断と治療】
診断にはMRI検査(磁力をつかった画像診断)が有用です。CTで代用することもあります。 また尿検査や、炎症が著しい場合には血液検査を行ったりします。
治療は外科的摘出=手術が基本とされます。開腹して尿膜管を摘出するため手術には入院して
全身麻酔が必要です。尿膜管は管腔がなくなり且つ炎症がない部分まで摘出しますので臍から
下へ腹部を切ります。症例によっては膀胱の上部に至ることもあります。形成外科では摘出時に臍の再形成も行います。
なお、臍周囲に感染を認める場合は炎症を鎮静化してから摘出術を行います。炎症の鎮静化のためには抗生剤の投与で経過をみますが、必要な時は臍の下の皮膚を切開し膿を出します。その後、改めて摘出術を行います。※北里大学メディカルセンター形成外科

先生から上記の説明を聞く私。

つづく。

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