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🇪🇺🇬🇧長期目線での【EUR/GBP】トレードシナリオ[2024.11.17]



1.背景

長期目線でEUR/GBPのトレードシナリオを立てるにあたり、ユーロとイギリスの経済成長率金利政策インフレ率ブレグジットの影響国際政治情勢、市場心理と投機的動きなどがEUR/GBPの為替レートに影響を与える要因と考えます。
特に、アメリカ中国などの他国との貿易・外交関係でどのように動くか、地政学的リスクの高まりが為替にリスク回避の動きとして影響を及ぼすこともあり得ると想定します。

中央銀行の金融政策

欧州中央銀行(ECB

2024年10月18日、ECBは政策金利を0.25%引き下げ、預金ファシリティ金利を3.50としました。 
これは、インフレ率の低下と経済成長の鈍化を受けた措置です。
今後の金融政策は、経済指標に依存し、追加の利下げも検討される可能性があります。

イングランド銀行(BoE

2024年11月7日、BoEは政策金利を0.25%引き下げ、4.75としました。 
これは、インフレ率の低下と経済成長の見通しに基づくもので、今後の利下げは緩やかに進むと予想されています。

インフレ率

欧州連合(EU

ユーロ圏の消費者物価指数(CPI)は、2024年10月に前年比2.0の上昇を記録しました。 
これは、エネルギー価格の低下とサービス価格の上昇が影響しています。

イギリス

英国のCPIは、2024年10月に前年比1.8の上昇となり、インフレ率は低下傾向にあります。 
これにより、BoEは利下げを実施しました。

経済成長率

EU

ユーロ圏のGDP成長率は、2024年第3四半期に前期比0.4の成長を示し、成長が加速しています。 
しかし、内需の弱さが懸念されています。

イギリス

英国のGDP成長率は、2024年第3四半期に前期比0.2の成長となり、緩やかな回復を示しています。
しかし、ブレグジットの影響や国際的な経済環境の変化が成長に影響を及ぼしています。

財政政策

EU

EUは、財政規律を維持しつつ、成長促進策を実施しています。
しかし、各国の財政状況により、政策の効果には差異があります。

イギリス

英国は、ブレグジット後の経済自律性を活かし、独自の財政政策を展開しています。
最近の予算では、増税と財政刺激策が組み合わされ、インフレ圧力の増加が懸念されています。

ブレグジットの影響

ブレグジットは、貿易協定やビジネス投資に引き続き影響を及ぼしています。
関税や非関税障壁の増加により、輸出入の変動が見られ、為替レートにも影響を与えています。

国際政治情勢

欧州とイギリスは、アメリカや中国との貿易・外交関係において、地政学的リスクの高まりに直面しています。
これらのリスクは、為替市場におけるリスク回避の動きを促し、EURやGBPに影響を及ぼす可能性があります。

市場心理と投機的動き

金融市場のリスク志向の変化やリスクオフムードは、GBPやEURに影響を与えます。
投資家心理によるショートポジションやロングポジションの積み上がりが、為替レートの変動要因となります。


2.オプションデータの読み取り

為替レートの推移

  • 現在のEUR/GBPレートは0.8349付近で推移。

  • 過去5年間で大きな変動があり、
    2020年ごろには0.95に近づき、その後下降傾向

オプション市場の動向

  • EUR/GBPのインプライド・ボラティリティ(IV)は5%台で安定

  • 3か月、6か月、12か月先のストライクプライスは全般的に0.80~0.89付近が中心。

  • デルタの値から見て、オプション市場は大きな変動を予測していない

市場心理

  • ショートやロングのバランスが大きく偏っていない。

  • リスクオフや経済不確実性が大きく影響する兆候は現時点では少ない

想定される動き

  • 経済指標
    欧州中央銀行(ECB)の政策は利下げ傾向で、EUの経済回復は緩やか
    イギリス(BOE)は同様に利下げ姿勢であり、ブレグジット後の成長が不安定

  • 市場の期待
    オプション市場が示す通り、大きなボラティリティは予測されない
    長期的には、政策金利やインフレの差異が相場に影響を与える。

  • 地政学的リスク
    欧州の地政学的リスク(ウクライナ問題など)がEURに影響する可能性。
    一方、イギリスの貿易協定問題がGBPに不安をもたらす可能性。

現状のデータでは、EUR/GBPはレンジ内で推移する可能性が高いと見られます。
中央銀行の政策変更予期せぬ地政学的イベントが大きな変動を引き起こす可能性もあります。


3.レンジのリピート自動売買戦略

戦略概要

  • EUR/GBPが今後数年間で「0.80~0.88」のレンジ内で推移する可能性が高いことを前提に、リピート型の自動売買を設計します。

  • レンジの上限または下限を大きく超え、その動きが継続すると判断される場合、リピート戦略を停止し、ブレイクアウト戦略に移行します。

  • このリピート自動売買戦略とブレイクアウト戦略の組み合わせにより、相場がレンジ内で推移する限り安定的な利益を目指し、レンジを大きく超える動きにはトレンドフォローでの大きな利益を狙うことが可能です。

自動売買設定

  • レンジ内での小幅リピート取引が前提となるため、設定は「レンジ相場」に特化したもので構築。

  • 利益確定・損切りはシステムが自動で管理し、あらかじめ設定したレンジ外の動きが生じた場合にシステムがアラートを発するようにします。

想定レンジ設定

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