Photo by daraz だっする 3 A.L.ゾルバ 2020年2月15日 23:11 玄関が開かなかった。賃貸会社に電話をするにも、スマートフォンは圏外だった。このままでは遅刻だ。 窓も開かなかった。ゆする隙もなく、動かなかった。いよいよ遅刻だ。 壁に向かって話しかけた。どうやら誰もいないようだ。 そういえば、外の音が聞こえない。 あれからどれだけ経ったのか、もはや思い出すこともない。眠った数を数えていたが、100回超えたあたりでやめた。 歌っては眠り、踊っては眠った。この多細胞システムにとって、それは素的な場所であった。 ダウンロード copy #ショートショート #フィクション #非現実世界 3