見出し画像

自覚なき一人称視点

 アンナ・カレーニナの千秋楽を観劇した。ライブビューイングで。
 この時期に遠征したらつらいに決まっている。けれど、このキャスティングは恐らくもう見れない、と思ったらチケットを取っていた。

 千秋楽パワーはすごかった。4回ものカーテンコール。目の前でしゃべっている美弥さん。上演中に見せる技術やオーラとは一転、ゆるいあいさつに、ああこのギャップが好きなんだなあとぼんやり思った。


 自宅に帰ってきてシャワーを浴びているとき、ふと鏡に目をやると、自分が見えた。そこで、自分の視点が一人称であることを自覚した。

 小ぶりなホールで美しく舞う、スクリーンの美弥るりかを思い出した。
 この人を一人称視点から見ている存在がある。そう気が付いた。

 なんと安らかなことだろう。

 




 それが3日前のこと。
 今日、嵐の活動休止が発表された。
 大野くんの言葉を読んで、そうだろうなと思った。

 僕らは一人称の視点しか持っていない。だから、
 どうか、思い描いた生活ができますように。