あの『こげぱん』の新作が発売されたぞ!!
あの『こげぱん』の新作が発売された。この2021年に!!
帯ですみっコぐらしとまさかの共演を果たしている。立派になったな…。
この新作、「~今日もパンやのかたすみで~」はなんと実に前作「毎日クターっと。」の発売から15年ぶりの発売なのである。
…………15年!?!?
確かに考えればこげぱんのシリーズを読んでいた当時は小学生だった私が今や社会人4年目、今年26になろうとするアラサーになっているのだ。確かにそれくらい経っているのだが改めて「15年」という重みが凄い。その年に生まれた子供が中学3年生になるくらい時間が経過しているのだ。
こげぱんの展開された時期、私はこげぱんが大好きだった。
最初の出会いは小学校の図書室だった気がする。そのフォルムやお話、まだ「ゆるキャラ」という概念もそこまで定着していなかったような時期に展開されていたこげぱんに私は夢中だった。その無気力な感じ、でもどこか前向きに努力する姿、牛乳を飲んで酔っ払う…………。
どれか一つ、魅力を言えとなると選びきれないのだがとにかくこげぱんが好きだった。実家には未だに当時買ってもらった絵本や漫画、クリアファイルなんかもあるはずだ。
グッズは数少ないが持っていて、今一人暮らしをする部屋にも昔見つけたぬいぐるみを持ってきて飾っている。
我が家のクリームぱんはミルク片手にマックのポテトとデガンジャを従えている。
特にこげぱんのシリーズの中では旅日記シリーズが好きだった。
北海道・沖縄・三都(京都・大阪・神戸)、読んでいた当時小学生の私は勿論自分で自由に旅行をする財力もなく、あのシリーズを読んで未知なる土地に旅行をしたような気分になって、いつかはこの本片手に旅行したい!と思ったものだ。大阪で海産物類アレルギーの作者に代わってずっとたこ焼き食べてた編集さんのエピソードが好きでした。
このシリーズの抽選でこげぱんのイラストがプリントされた旅のお供セット(アイマスクとスリッパ)が当たった時は凄く嬉しかったと覚えている。今でも実家の机に大事にしまっていて旅先では勿体なくて使った事がない。
思えばエッセイ系の漫画(?)との出会いはあれが始まりだったのではないかと思う。
さて、この新作なのだが今ネットで連載されている4コマが基になっている。
恥ずかしながら実は今ネットで連載されている、というのを数日前まで知らなかった。実は本が出るというのも発売されて少ししてから知ったのだ。
きっかけは仕事の中で、現場の不具合対応というあまりいい意味での出張で沖縄に行くことになった。出張する際にはGoogle mapで現場を調べて、周りにどんなものかをある程度頭に入れて現場に行くのだが、今回も調べているとその現場の近くにどこかで見たようなお店の名前があった。
マウスを動かして詳細を見てみるとそこは「パン屋」。その時、頭の中で昔何度も読んだあの本の記憶が掘り起こされた。
「これこげぱん旅日記で出てたパン屋だ!!」
こげぱん旅日記シリーズはやはりパンたちが主人公という事で旅先でパン屋に行くというのが流れだった。その見知らぬ土地のパン屋が出てきて、美味しそうに書かれたパンのイラストに「食べてみたい」とよく思ったものだ。そんな昔読んでいた本に出てきたパン屋の名前が見えて何か感動すら覚えた。昔行きたい、と思った所が今度の現場の近くにある……?ちょっと興奮すらしてきた。
だがその旅日記の本は今実家にあり、時勢的なものもあって実家に帰るのも憚られる。今すぐどんな事が書いてあったか、どんなパンがあるのか確認したい……!
電子書籍で出ていなかったかな?そう思い調べてみると、ヒットしたのがこの新刊だったのだ。まさか仕事の現場を調べていてこげぱんの新作が出る事を知るなんて思いもしなかった。
そうして新作が出ると知った私は早速今日普段ならダラダラ残業してしまいがちなのをササっと片づけて本屋に向かい買ってきたのだ。15年前は親に買ってもらっていた本を自分の金で買う、という年月の重みを改めて感じたのだった。
さて前置きが長くなったが本の中身である。一部昔の絵本の中身が入っている所もあり、これから読んでもこげぱんというキャラクターが分かるようになっている。
ページをめくる度に小学生の頃、夢中になって読んでいたあのこげぱんたちが変わらない姿で出てくる。嬉しくて嬉しくて震える。令和になり作画環境は当初デジタル等色々模索する中で編集部などの声により手描き+デジタル、という環境になっているらしい。私はこのスタイルで間違いなかったと思う。これはあとがきエッセイの中でも言われているのだがやはりこげぱんの手描きのタッチ、というのはどこか温かみのある、そんな雰囲気でスッと心に入ってくるのだ。
さてそんな風にいい意味で変わらない世界を見せてくれるのだがやはり今の時代という事で端々に令和の時代を感じさせる。例えば自然と動画を使ったネタが出てきたり、「推し」という言葉が出てきたり、挙句スマートフォンまで登場する。これが15年という歳月だ。
と、こういった変化も見せてくるがそれでも変わらない世界がそこにはあった。私が夢中になったこげぱんの世界が。
15年経って、色々と考える事も増えたけどまたこげぱんに会えるのなら少しは頑張れるような気がする。とりあえず、今度の出張では現場を頑張って昔名前だけ知っていたパン屋に行こうと思う。
あの時、こげぱんを読んでいた方も是非新刊手に取ってみてください。
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