THE HARDBAIT #006 「冬に選ぶべきジャークベイトのタイプ」
ここまで2回に渡って生粋のクランカー・高橋一夫さんのハードベイト術をお届けしてきた。マッディーシャローを釣るのであれば、真冬でも「シャロークランクを普通に巻く」ところからスタートするのが常套手段。強いアクションに反応しきれないと判断したらシャッドへ移行、というのが前回の内容だった。
高橋「それでもダメなら、ジャークベイトですね。水温が10℃を切ったあとはクランクよりも手堅いイメージがあります。メタル系でボトムを釣っていくのも悪くはないですが、得てしてサイズが伸びない。そもそもたくさん釣れる時期ではないし、ジャークベイトで中層を探っていくほうが個人的には好きです」
多種多様なバリエーションがあるジャークベイトのなかで、高橋さんが愛用しているのはおもに3タイプ。「ビーフリーズ78SP」「ライトニングポインター110SP」そして「スレンダーポインター112MR」だ。
高橋「最初のふたつは、ジャークしたときに比較的大きくダートするタイプです。ライトニングポインターはフラッシングも強い印象がありますね。春先や秋など、バスがアクティブに動いているときはこの2種類がまず選択肢に上がる。少し毛色が違うのがスレンダーポインターで、アクションの質がちょっと違うんですよ」
「スレンダーポインター112MR」はジャークしてもあまり横っ飛びせず、短い移動距離で左右に水を押すような動きを見せる。ジャークベイトの名作、ラトリンログの系譜に連なるタイプだといえるだろう。杭やカバーまわりなどのピンスポットではオーソドックスなジャーク&ポーズで攻めるが、「なにもない沖のフラットを回遊している個体」をねらっていくケースもあるという。
高橋「利根川の支流・将監川で実績のあるパターンです。中流域に川幅が狭くなっている橋があって、その前後は水がよく動くので泥が堆積しづらく、水深2m台ののハードボトムが形成されているんですよ。冬はバスに限らず魚影が豊富で、イナッコなどのベイトフィッシュも多いから、それを捕食している魚がジャークベイトに反応するんでしょうね」
特定のスポットをねらうパターンではないので、ロングキャストしてリトリーブ&ポーズで広く探る。ハンドルを1〜2回転してストップ、1mほど泳がせてまたポーズ、といったリズム。ときおり弱めのジャークを混ぜることもあるという。
高橋「このルアーは3フックですが、フロント側だけを大きくするセッティングに変えています(フロント#4、ベリーおよびリアフック#6)。前を食ってくることが多いのもありますし、仮にリアフック1本で掛けたとしてもファイト中に絡め取ってキャッチ率を上げることができるんです」
記事&写真 水藤友基