「真冬にバスを釣るための考え方①」
しょっぱなから脱線しているようだが、実はこれもバスフィッシングと関係の深い話。今回は真冬におけるバスの生態や釣り方について、鈴木美津男さんと一緒に考えていきたい。
温かいシーズンに比べて動きは鈍るものの、じわじわエサに近づいて、ガブリとひと呑み。それはまるで、真冬のクリアリザーバーで表層のI字系ルアーめがけて浮上するバスのような食い方だと鈴木さんは言う。
これは鈴木さん自身の経験に裏打ちされた実感でもある。たとえば2月の霞ヶ浦で開催されたトーナメント。ブレイクに絡む浅いフラットの張り出しをねらって1800g級を3連発したことがあった。まだ発売前だったRC1.5のプロトタイプを長門川に持ち込み、ひと流しで3本・5kgオーバーをキャッチしたのも2月の出来事だったという。なお、平均水深が浅くて気温の影響を受けやすく、低水温期に活動するエサの少ないマッディーシャローほど、バスも越冬状態になりがち。その一方で、冬でも生命感あふれるワカサギレイクのような場所であればフィーディングに入るバスの数は多いと考えられる。
「真冬にバスを釣るための考え方②」
今年(2023年)は1月の終わりに大寒波が全国を襲った。こうした急激な変化の直後はよろしくない。下手をすれば1〜2週間のあいだ沈黙が続くことも。
具体的にはどのようなエリアをねらうべきなのか。鈴木美津男さんのホームグラウンドである利根川本流の場合、エサを食う体力のある魚でも、普段は水深4〜5mにスタンバイ。そこから一段上がったところにあるミドルレンジのフラットで捕食行動に入るケースが多い。
ブロックに身を潜めて越冬するバスもいないわけではない。ただ、それだけでいいなら、ほかのエリアでも同様に釣れるはず。にもかかわらず「佐原のテトラ」がいいのは、冬でも動けるバスがエサを獲るのに適した地形的条件を備えているから、というのが最大の要因なのだ。複数の流入河川や水門が絡んでおり、それがベイトフィッシュを集める要素になっていることも見逃せない。
利根川でいうと、長門川や根木名川とのインターセクションは超一級の大場所。明確なハードボトムのブレイクがあり、深い側にいるバスが一段上の乱杭やオダを利用してフィーディングに入りやすい。
具体的なルアーセレクトやアプローチ方法はフィールドによってさまざまだが、鈴木さんは「自分なりの基準」を明確にすべきだと語る。
記事&写真 水藤友基