みんな生きている
思えば、コロナショックが起きてからと言うもの
世間は毎日慌ただしい日常を送っている。
外を見れば主婦たちは買い物袋一杯の荷物を積んだ自転車を漕ぎ、
休校中の子どもたちは鈍った体を動かす為、公園で大人たちとスポーツを楽しんでいる。
数日前、我が家の飼い犬の命日だった。
その日は朝から晴れやかな気持ちの良い日で、桜が満開の日でもあった。
私たちの思春期時代を共にした我が家にとって兄さん的存在の誇り高い麗しい、そんな言葉がぴったりと収まる。そんな犬だった。
その日は弟が家に居たのでなんとなく兄さんに会いに行こうかという話になり、命日参りに行った。
車の中で昔の思い出話に花が咲き、
弟と久しぶりに沢山話した。
御参りが終わり、空をふと見上げると
小ぶりの雨がザッーと振り、明るく夕焼け色に染まった空からあたたかく心地の良い風がこちらに吹いてきた。
なんとなく、兄さんが喜んでくれている
そう思い、弟に言ってみると俺もそう思う
私たちはそうだと思った。
”なんとなく”
この感覚を大事にしよう
そう思った瞬間だった
満開の桜と共に、
今の飼い犬。
こんな状況でも
みんな生きている。
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