顔面痙攣を振り返る:診断を受けて
あまりにも自分の症状が顔面痙攣とよばれるものに合致するので、とりあえずMRIぐらいはとって診断を受けた方が良いだろうと思い、かかりつけ医に近くの総合病院の脳神経外科宛に紹介状を書いてもらった。案の定顔面痙攣という診断を受けたのがおそらく2016年秋だった。画像を見ながら「おそらくこの辺で血管と神経がふれている」みたいな説明を受けたと思う。正直言って私にはその触れている様子がよくはわからなかったが。
ネットで読んだとおり、投薬治療はまず効果がないこと、症状の重さや困り具合に応じてボトックスか手術ということになるが、まだほとんど見た目には分からないから今は様子見でいいのではないか、とのことであった。「どういう方が手術に踏み切るんでしょう?」と聞いたところ、営業や販売などの対面の仕事をする人が困り果てて、というようなことをおっしゃっていたが、臨床心理士の私はまさに対面の仕事であるため、やがて私も手術を受けることになるのだろうか、、、とうっすらと不安を感じつつもまだ遠い未来のこととして考えていた。診断は受けたものの、いかんせん体は元気なので自分が疾患をかかえているという自覚はなく、顔面痙攣というものと正面から向き合えていなかったと思う。主は鍼治療で治った人もいるみたいだよ、などと言ってくれていたのだが、当時の私は鍼治療で血管と神経が離れるわけでもないし、、と思っていた。その数年後、私はこの時に鍼治療を試さなかったことを後悔することになる。
この頃外科医の兄に顔面痙攣の話をしたが、“神経と血管がふれてるなんて、、それだったら生まれつきのはずだから今頃症状がでるのはおかしいでしょう”と顔面痙攣のメカニズムそのものを否定しているようで私は正直驚いた。専門が異なるとはいえ、同じ医者にも理解されない現象だとは、、、と。兄の疑問は私の疑問そのもので、以前は離れていたはずの血管がなぜ神経に触れるようになってしまったのか、その“なぜ”が解明できれば自分でできることもあるのではと思っていた。40代以上の中年女性に比較的多い(といっても罹患率は10万人に数人程度という稀な疾患のようだが)ということは加齢による血管の劣化やホルモンなどの影響もあるかもしれないから体を若返らせればいいのでは、などと。