なんと言おうと#15 ~高校の選び方・後編~
皆さま、こんばんは。なんと言おうと#15です。
クリスマスも終わり、2021年もあと少し。今回はOPはそこそこに本題に入りたいと思います、今回も長いんでね。前回、「北海道に行きたい」→「高校どこに通ってるんだろう?」→「福岡の高校進学事情」→「沿岸バスの丸板」が届いたという話をしました。というわけで、沿岸バスのある北海道道北(特に留萌・宗谷地区)の高校事情、そして選び方を考察したいと思います。(沿岸バスの丸板の話をしたのは本当にここで北海道を選んだ理由に結び付けるためでした!)ちなみに、今回のヘッダ画像は北海道の学校・校舎の写真をアルバムから探した結果、高校はありませんでしたが、北海道医療大学の写真があったのでそれにしました。
それでは、改めて高校の選び方を見つめる回後半戦、スタートです。
高校の選び方 ~地図で見る北海道道北編~
まず、道北の自治体の位置関係。前回福岡編で位置関係のせてなくて分かりにくいかもと思ったので。留萌地区は南北に長いんです。そして、図のリンク元は下記のURLのとおり。
北海道の学区割は下記リンクのとおり。札幌周辺は選択肢が多いんだけど、他の地域はそうでもなさそう。
留萌振興局・宗谷総合振興局内の公立(道立)普通科高校
【留萌学区】
留萌高校
羽幌高校
天塩高校
【宗谷学区】
稚内高校
豊富高校
浜頓別高校
枝幸高校
利尻高校
礼文高校
その他、今回取り上げるところで関係ありそうなのは上記リンクのとおり、隣接する学区の高校へ進学できる10%枠があること、幌延町(宗谷振興局)は留萌学区の高校、中川町(上川総合振興局)は道内のいずれかの高校に進学できるという特例があるところでしょうか。なお、実業高校は原則道内全域から通学可能ということになっています。
というわけで、選び方。グーグルマップ、沿岸バスの時刻表、JRの時刻表ほかを駆使して理論上通学可能な範囲を見ながら考察していきたいと思います。
まず自宅から通えるかどうか。これは前編でも取り上げました。しかし、福岡と違って範囲はだいぶ広いですが、受験の競争率は低そう(受験はあってないようなものかもしれない)なので自宅から近く学校にそのまま入れると考えてよさそうでした。各市町村の自宅から通えそうな普通科高校を時刻表を見て取り上げてみました。公共交通に限らず、自家用車で送り迎えだとしても同じ結果になりそうでした。町内でも地区によって大きくばらつきはありますが、町の中心部を基準に考えました。南から順に書いていきます。
増毛町内:留萌高校(増毛高校は廃校)
留萌市内:留萌高校、羽幌高校、深川西高校(空知北学区/10%枠)
小平町・苫前町内:留萌高校、羽幌高校(小平町鬼鹿地区を境に留萌と羽幌に分かれそう)
羽幌町内:羽幌高校、留萌高校、天塩高校(留萌・天塩へは朝6時半のバスに乗る必要があるけど、実際いるんですかね?)
天塩町・遠別町・初山別村内:天塩高校、羽幌高校(天塩町→羽幌高校は行けなくはないが、これも朝6時半のバスに乗る必要があり、後述の豊富高校にはバス通学できない)
幌延町内:天塩高校、豊富高校、稚内高校(豊富、稚内はJRで通学できそう、豊富はバス通学できない)
豊富町内:豊富高校、天塩高校、稚内高校(天塩町とは違い、豊富町→天塩高校にはバス通学できる)
稚内市内:稚内高校(豊富には公共交通で通えない)
さぁ、実際はどうなんでしょうか。上記高校のうち、天塩高校に通う生徒について出身中学の内訳が学校HPに掲載されていたので紹介。これは通学圏のヒントになりそう。ちなみに、僕が調べた限り留萌地区の高校で出身中学の紹介があったのは天塩高校と苫前商業高校の2校でした。
令和3年度は多いところから、高校に近い天塩中(40人)、隣町の遠別中(25人)、幌延中(22人)の3校。この3校だけで全校生徒104人中87人。全体の8~9割占めています。人口規模で考えると天塩は大半の生徒が、遠別・幌延は半分くらいが天塩高校に進学している計算でしょうか。少し距離はあるも初山別、豊富からも数人通学している模様。ただ、本当に数人なので初山別の子たちは羽幌へ、豊富の子は豊富か稚内へ通学していそうな感じ。これだけ同じ中学出身の人が固まると小学校→中学校へ進学する際に「同じメンバーだなぁ」というのがよくあるように、中学校→高校も同じメンバーという認識がありそう。羽幌出身の人はいないので、極端に遠いところから通う人はおらず、無理に自宅から遠くの高校へ通っている人は少ないようです。ただ、よく見ると地理的にはかなり不利な問寒別中(幌延町)や中川中(中川町)出身の子も数人。確かに、この2校の近くに高校はなく、JR沿線ではあるも幌延~音威子府の間は宗谷本線の中でももっとも本数が少ない区間で普通列車は1日上下3本ずつ、特急も3本ずつしかない。時刻表を見る限り、名寄向きは途中の美深(美深高校の最寄り駅)に朝8時過ぎに着く列車はあるが帰りの便はないし、名寄は美深より南にあって朝は間に合わず、美深や名寄の高校に通えるのは音威子府以南に限られました。むしろ稚内方面のほうが可能性はあって朝は6時台に1本で南稚内(稚内高校の最寄り駅)に8時ごろ着、帰りも18時頃に出る普通列車があるので、部活を考慮しなければ通えなくはないけど2時間近くかけて通うかなぁって気がします。それなのに、彼らはなぜ鉄道も路線バスも通じていない天塩の高校に通えているのか。それは、「スクールバス」の存在があるから。正直、調べるまでスクールバスという発想は頭になかったです。僕自身幼稚園から大学まで1度もスクールバスがないところに通っていたので今ひとつピンとこなくって。まぁ鳥取ではスクールバスで通う小中学生って結構いるんだけど。学校のHPを見ると町支援で「問寒別・雄信内・中川を結ぶ通学バスの運行」とあり、通えるしくみになっていることに驚きでした。スクールバスは地図には載らないからなー。これには北海道の学区において、幌延町(宗谷振興局)は留萌学区の高校、中川町(上川総合振興局)は道内のいずれかの高校に進学できるとされているのも納得でした。でも、こうしてみると、自宅から近い高校に通っている人が多いようです。
2つ目。学生の進路志望。選べる学校が限られると、偏差値が~とか部活が~とかは言ってられなそうだし、どうしても!という人は絶対にいるはずだし、僕みたいに「環境を変えたい。中学までのメンバーとは別れて1から人間関係を築きたい。」という人もきっといるはず。強いて3つ目を挙げるとすれば部活かなぁ。でも、高校で部活重視だと私立のイメージが強いのでここでは進路メインで書きます。
そんな中、留萌地区出身の方の記事が。HKT48の運上弘菜さん(小平町、留萌高校出身)のお兄さんが高校進学を機に都会に出て、都会に憧れが・・・という記事をどこかで見たんだけど、ソースが見つからない。近しいところのリンクは下に貼っておきました。
運上さん自身は小平(その中でもたぶん一番留萌寄りの集落だと思う)から留萌高校なので、上述の1つ目の要素にあてはまっていますが、お兄さんに限らず高校進学のタイミングで寮とか1人暮らしとか挙家離村(東日本では挙家離村<出稼ぎのイメージだけど…)とかで外に出る人は普通にいる模様。福岡では部活以外の理由で寮に入る人はほとんどいなかった、しかも寮がある学校と言えば私立に限られるし。でも、近くに大学がないから大学進学後1人暮らしするように、本気で難関大学へ進学したい人、部活に打ち込みたい人、学びたい学問がある人は外に出るのかなぁ。確かに、大学の同級生でも高校進学のタイミングで都会に来たという子はいたし、進学志向じゃなければ意識するポイントではないけど、都会の規模の大きい高校で揉まれて難関大学を目指せる勉強ができたほうがその進路実現の可能性は高そうだしなぁ。上述の各高校も偏差値は決して高くない(おそらく、上から下までいるうえ、定員割れでどんぐりの背比べ)し、留萌・稚内以外の高校では国公立大学の合格者が出ない年があったり(でも偏差値は留萌より羽幌のほうが高いの不思議)、大学進学者はいるも指定校推薦ばかりだったりと学力で難関大学を目指すには環境が整っていない面もあるのかも。本当に頭のいい人は札幌とか旭川の高校に進学していそうな感じです。だからこそ、そんな学校から例えば北海道大学合格者が出たらその子は地元で崇められるんだろうなぁ。それはそれでいいよなぁ。
https://www.facebook.com/page/256978597711406/search/?q=%E9%81%8B%E4%B8%8A%E5%BC%98%E8%8F%9C
およそ、高校の選ぶ要素としては上記のようなところだと思います。都会と比べて細かいこだわりを考えられないのは間違いないと思いました。
高校のない街のほうが選択肢が多い?
基本的には自宅から近い高校に通うので、高校がある街のほうが通うには有利と思われそうですが、僕は選択肢という観点においては高校のない街のほうが有利なのではと思いました。外に出る分選択肢が増えるというわけではなく、高校のある街だとその高校に集中してその高校1択になりがちで、高校と高校の間にある街で距離が極端に遠くなければ高校のある街よりも高校の選択肢が多いパターンが発生するということです。
例えば、幌延町(市街地)。幌延には高校はないけど、留萌学区の高校に進学できるのもあり普通科だけで上述のとおり天塩高校、豊富高校、稚内高校(+私立の稚内大谷高校)と選択肢が比較的多い。ただ、これは地理的要因以外に交通事情も絡んできます。幌延町はJRが通っており、鉄道があることで遠くの高校まで通えるようです。鉄道は偉大!宗谷本線名寄以北は毎年のように廃止の話が挙がるけど、あると可能性が広がるのは間違いないんですよ!
また、同じく高校がない猿払村(宗谷総合振興局)も同じことが言えて、稚内にも浜頓別にも通えるそうです。猿払村の進学事情についてはこちらのnoteに詳しく書かれていました。稚内大谷だと、というか部活生は下宿している例って確かにあるんだなー。
彼らは何を優先する?
家から近い高校を選ぶのか、あるいは自分の将来を見据え遠くの高校に通うのか。
前者のメリットとしては、通学時間がかからないので家庭での時間(勉強や睡眠など)を確保できることとか、古くから知っている仲間も多いので高校になじめやすいとか、忘れ物に気が付いたときにすぐ取りに帰れるなどが思い浮かびました。デメリットは自分にあった学力レベルで勉強できるとは限らない点かなぁ。近いとダメな理由がそんなに浮かばないんですよね。
後者のメリットとすれば、自宅からバスで通うとして登下校中に勉強できる、自宅&下宿関係なく言えるのは自分に合ったレベルの勉強ができる、自分のやりたいことへの可能性や挑戦ができるといったところでしょうか。デメリットは悪天候時の登下校のリスク(バスや鉄道の遅延・運休)、部活動への制約が出る、寮ならまだしも1人暮らしなら身の回りのことは自分でこなさないといけないこととか。ハイリスクハイリターンかもしれないです。
こうしてみると表裏一体な面があって、さらに後者を選ぶ要素は「学力」、勉強に集中するんだな。最終的には生徒の学力や考え方次第なところになりそうです。
このような環境の下に住んでいたら、僕だったらどっちを選ぶだろう。前回書いた通り、家から近い高校に通いたかったし(実際通っていた)、偏差値の高い高校を狙いたい思いもあったけど、多分中学校が楽しければ間違いなくアホガールの阿久津くんみたいに家から近い高校に通ってその学校でトップ狙いをすると思います。でも、現実はああだったし、状況次第ではあえて遠くの学校を選ぶような気もします。僕自身少人数の学校に憧れはありましたが、中学が中学だったので、正直なところ学校の選択肢が多い都会でよかったとも思っています。
前後編通したまとめ
2回にわたって高校事情を書いていきましたが、都会の生徒と田舎の生徒では高校の選び方において同じところ、違うところ、想定していなかったところ、さまざまでした。これを書くにあたって1か月以上調べていたんですけど、色んな事情を知れて楽しかったです。
都会のほうが当然高校の選択肢は多いので色んな要素を見て決められるけど、受験競争が激しいのでそこを乗り越えなければならない。また、田舎なら近くに高校があればそこを最初の選択肢として、15の春で地元を離れるという選択肢を考える人も少なからず出てくるでしょう。地元を離れるまではいかなくても通学に1~2時間かけるということも考えなくてはなりません。結局は生徒が高校で、その先で何を求めるかにあるということを強く感じさせられました。
あくまで、自分の経験と資料に基づく仮想なので、実際のところはどうかというところまでは分かりません。大きく違う点もあるかもしれません。それはご了承ください。もし、今回のような環境で育った人に会えたら聞いてみたいです。まとめと言いながらそんなにまとまっていないですが、今回のまとめとさせてください。
あっ、最後に、これだけは言いたいので。今回取り上げた地域の中にある、苫前町の古丹別中学校が来年度いっぱいで苫前中学校と統合されるそうです(下記リンク)。小学校はまだあれど、少子化・過疎化の影響を感じさせられますが、学校がなくなるということが過疎化をより早めるという事実をもっと受け止めてほしいなと思います。小規模な学校でも、その地域にとってはシンボルのようなものだし、コミュニティの中心ともいえる存在なので。移住ブームな昨今でも子供連れなら学校は考慮するでしょう。簡単に切り捨てたりせず、これからの未来のため、細く、長く持たせることをみんな考えてほしいなと思いました。
最後はこのコーナー!
今週の1枚!
北海道も雪模様ですが、鳥取も雪が積もりました。というわけで、雪の砂丘を見に行くはずが・・・大荒れで吹雪の砂丘を見ることに。
砂丘は風を遮るものが存在しないので、顔に当たるすべての物体が痛かったです。雪だけじゃなく砂も飛びますからね。気合でシャッターを押しました。でも、強風のせいか雪は思っていたほど積もっていませんでしたね。しかし、このまま砂丘にとどまっていたら待っていたのは「遭難」あるのみだったと思います。
雪の砂丘は幻想的ですが、天候はちゃんと選びましょう。次回はツイッター・FBでは公開済みのメール採用記録で1年を締めくくりたいと思います。それでは、また次回お会いしましょう!!
※投稿後、編集が入る可能性があります
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