昌栄工業から学ぶ
墨田区と私
大学の授業で墨田区について調べることになったのだが、正直「墨田区といえば東京スカイツリー」そんなイメージしかなかった。ちなみに私は高所恐怖症であるため東京スカイツリーに登ってみたことはない。歩道橋ですら歩くことが怖い私が、スカイツリーなんて登ったら腰を抜かして動けなくなるだろう。
町工場がたくさん
実は墨田区には多くの町工場がある。その町工場も隠れ屋のように密かに存在しているような場所も多くある。秘密基地のような場所も。実際に墨田区を歩いてみて「ここが町工場?」と思うような場所ばかりだった。マンションの上にある工場や看板すらない工場など想像していた工場とはかなり違っていた。
向島をストリートビューで歩く
私は今回ストリートビューを通して、向島を歩いてみた。他の町工場はやはり住宅街に存在するものばかり。住所が間違っているのでは?と何度も公式サイトの住所と確認をしたぐらいだ。こじんまりとした工場が非常に多かった。しかし、そんな町工場が墨田区を支えている。ここで私は一つの町工場を紹介したい。向島にある町工場の中の「昌栄工業株式会社」である。これはストリートビューから見る、「昌栄工業株式会社」だ。
昌栄工業って?
昌栄は創業70年になる絞り加工を主とするプレス屋である。従業員はなんと13人と少ない。しかし、昌栄のものづくりは、描いた人、作り人、伝える人が互いを思いやり納得して製品をつくることをモットーにしている。また、「技術力や設備に左右されるものではない取り組みが美しい形となり、これから未来への文化となっていき、長く大切にしてもらえるような製品をつくること。」をものづくりの設計しているそうだ。
ホーロー製品
昌栄工業が製造しているのがこの「ホーロー製品」であるう。自社ブランド「kaico(カイコ)」のホーロー製ドリップケトル。突き詰められたシンプルなデザイン、透明感のある白色の表面、天然白木のつまみ。そして、湯の残量にかかわらず常に静かに真下に湯が落ちるよう、最適な形状を徹底して追求した湯口だそう。
kaicoを詳しく知る
kaicoは2003年に誕生した。現在はドリップケトルのほかに鍋やケトル、キャニスターなど20種類弱の製品をラインアップしている。ホーロー製品の生産はほとんど海外へ移ってしまい、国内メーカーは数社のみ。そのため、培った多様な金属加工技術や工夫と知恵に加え、外部の企業とも協力した「複合技術」による開発型の金属部品製造が占めているそうだ。メイドインジャパンの繊細で美しいホーローを守る技術継承と商品開発を進めているそうだ。
以下はkaicoの製品の一部である。
Never Give Up精神
昌栄工業の3代目社長の昌林賢一氏へのインタビュー記事を見つけた。
「まず大事にしたのは人を見ることです。その人と一緒にやりたいと、ピンとくるかどうか。仕事が進めば最後はお金の話になりますが、そこまで考えて一緒にやれるかどうかです。次に、これは他にはできない、自分にしかできないと思うものをコーディネートすること。そして、やると決めたら決してあきらめないことです」
ただ町工場を調べてみようという気持ちで記事を書いていたが、この言葉が心に刺さった。町工場のことだけでなく、自分にも置き換えられることもあるような気がした。「自分にしかできないと思うものをコーディネートすること。」これからの私たちに求められていることであるように思えた。昌栄工業の社長の自分の会社に対する思いや向き合い方まで学べた。町工場の調べ学習から他の視点に目を向けることもできたように感じた。
最後に
昌栄工業を通して、「メイドインジャパン」の大切さというものを感じた。最近では海外での生産が多くなってきている。自分が持っているあらゆる製品のタグなどを見たら一目瞭然だろう。メイドインジャパンは非常に少ない。もっと日本製の良さ、受け継がれてきた伝統をこれからも守っていかなければならないなと感じた。
また、この調べ学習を通して私からみる墨田区のイメージはかなり変わった。町工場やストリートビューでの散策を通して今まで目を向けることがなかった墨田区を見ることができたからである。
コロナが終息し、墨田区へ訪れることがあったら今までは東京スカイツリーを眺めて浅草へ向かう道のりの中で、町工場を探しながらキョロキョロして歩いている自分が想像できる。
最後の最後に。動画で見る「昌栄工業」というコンテンツを見つけた。ユーチューバーの動画やアイドルのミュージックビデオなどよりも短い動画である。それらに比べたら非常に見やすい。ぜひ見ていただきたい。