繋がってしまった電話は間違え電話で…

もうこの電話は彼女には届かない。

そう思いながら携帯を手に取った。別の人に繋がるかもしれない。そう思いながら思い切って電話した。約束をやっと叶えられた事をどうしても伝えたかった。

思い切って通話を押す

ぷるるるる

通信音が流れて涙が溢れる。彼女がいた場所に既に別の人が住んでると言う事実ともしかしたら今までの事は全部夢で彼女が元気に電話に出てくれるかもしれないと言う気持ちが少しだけ顔を出しそれはすぐに消えていくという現実と…

いろんな気持ちが交差してぐちゃぐちゃになって涙がほおを伝う。

おかけになった電話は…

そんなメッセージが流れたらまだ彼女の居場所はそこにあるんだと思えたのに…彼女のいた場所が誰かのいる場所になってしまっているきがした

「もう帰ってこれないじゃない」

ついそんな事をくちにだしていた。口に出すと現実になってしまったような気がしてまた涙が溢れた。

タダイマデンワニデルコトガ…

留守電に繋がった。彼女に繋がったわけではないとわかっていながらも

「やくそく…やっと合格したよ」

それを言うのがやっとだった。電話を切って泣いた。受け入れられなかった現実を少しだけ受け入れさせられた。

ずっと受け入れられなかったし受け入れる気もなかった。だからお墓にも行けなかった。なのに心の準備もちゃんと出来ないまま電話をしてしまった。

受け入れる事はきっとまだ出来ない。そんな簡単な話ぜゃない。そう自分に言い聞かせながら電話を握って泣いた。