患者力
当店のお客様が、プール仲間のお友だちをご紹介してくれました。
「ご紹介」となれば、一層気合いが入ると言うもの...さて
ご相談内容は「血糖値が下がらない」
「経口糖尿病薬」を長年飲んでいますが、もう「インシュリン」を使うギリギリの数直に到達してしまい、主治医には「痩せなさい」と言われるが、甘いものを控えてもなかなか痩せません。プールで運動をしたり、農作業も毎日しています。
もうどうして良いか分からない...と仰います。しかも10日後には検査があります。
「じゃあこの次の検査で、血糖値下げましょうよ!」と、こちらからご提案。早速問診の上「漢方薬」を処方致しました。
結果を知りたかったのですが、その後「連絡」は途絶えました。「失敗したのかな?」と申し訳ない気持ちになっていたところ、紹介してくれたお客様がご来店。来月「腎臓結石」の手術をすることになって、いつもの漢方薬を一ヶ月分欲しい...と、ご来店になりました。
これは...と思い、ご紹介頂いたお客様の様子を伺いました。すると、検査で血糖値が急に下がったため、不審に思った担当医が訳を尋ねたそうです。
その方は正直に「漢方薬を飲んでいる...」と打ち明けたそうです。それに激怒した担当医。凄い剣幕で叱られたそうで、怖くて「漢方薬」を飲むのを辞めた...とのことでした。
もう一人のご紹介様は「不整脈と不眠」のご相談で、何度か当店に通われました。こちらの方もお顔色も良くなり不眠が治って喜んでいたものの、突然パタッっと音信が途絶え、何かあったのか?気になっていました。
こちらのお客様も担当医に「漢方薬」を飲んでいることを話したそうで、相当怒られてしまったようです。勿論直ぐに「漢方薬」は辞めたそうです。
ことの成り行きが解り納得はしたものの、何となく「ショック」で立ち直ることが出来ません。続けざまは本当に堪えます。それ以上にせっかく「治る道」がついたのに、途中で辞めてしまうことはとても残念です。が...
やはり医師にしてみれば、患者さんは「自分の患者さん」。私共のような一介の薬屋が横から入って治療するのは「営業妨害」と思われても仕方がありません。
しかし患者さんにも「健康」になる権利はありますし、日本にいる限り何をしようと自由です。
さて、ここからが本題...
「持病」を抱えて治療中の人が、その持病を私達のようなセカンドオピニオンでも同時に治療する場合、注意していただきたいことがあります。
決してお医者様のご機嫌を損ねるようなWordは言わないこと。「漢方薬を飲んでいる...」とは絶対に言ってはいけません。「内科」で膝の痛みを治す漢方薬を使っている..と言うのはOKです。でも、担当領域の「漢方薬」はいけません。「二股」をかけられるのは誰だって嫌でしょう?「要注意」のレッテルを貼られるだけですよ!
「自分の治療を疑っていたのか?満足できないなら、そのお店で治してもらったら?」と言いたくなるのは当たり前です。
「正直」が一番良いわけではありません。「嘘も方便」...と言うじゃありませんか?(笑)
勿論、「これから一切の病気を漢方薬で治す」と言う覚悟が出来れば、それはお引き受けいたしますが...なかなか一度や二度漢方薬を飲んだだけでそんな気持ちにはなれないでしょう?
そんな時はどう答えるか?
「健康食品を飲んでいます」又は「甘いものを辞めて運動を始めました」と答えます。これなら気分を害させることはありません。「何の健康食品ですか?」と言われたら「名前は忘れたので、後で調べてきます」でいいんじゃありませんか?
別に「通院」を辞める必要はありません。「健診」は受けておけばいいだけなので...私はこれを「患者力」と書きましたが、「賢い患者学」でもあります。かけがえのない命を、誰か一人に預けてしまうのはどうなんでしょう?私なら、あらゆることをやり、「最善を尽くす」でしょう。
また「変な知恵を授けた」と叱られそうですが、医学の進歩に貢献する道を選ぶ方もあり、自分の身体は自分が守る..と言う方もあり、どれを選ぶかは「ご自身で決める」ことではないかと思います。「万が一何かあったら?」と心配される方もいます。まあ、救急車で「総合病院」に運んで貰うテもありますし...日本にいる限り保険料を支払っている限り、何とでもなります。
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