#003 VALENTINO
靴は女性の自立を象徴を描かれるものだが、JimmyChooやManolo Blahnik、Louboutinなど・・・世界には名品と呼ばれるパンプスが数多くある。
VALENTINOのロックスタッズパンプスもその内のひとつだろう。
私の記憶では、数年前の街中やSNSで最も見かけたのは、アンクルストラップまでついた「ロックスタッズ ケージドパンプス」だったはず。
当時20代前半は、このスタッズの良さが全く分からず、蹴られたら痛そうな靴だなぁとよく眺めていたものだ。
このパンプスにいたっては、自立の象徴というよりは、よく分からないビジネスで金を得ている男性の横にいる女の象徴ととらえていた。
自分で稼いだお金でこの靴を買うのか?と想像してみたが、もっと他のものを選ぶだろうと当時はよく思っていたものだ。
そもそも私はロックが好きじゃない。
どうやら、「はずし」でロックアイテムを取り入れるらしい。確かに、SNSの世界では、フェミニンなワンピースかジーパンにこのパンプスをあわせているコーディネートばかり目につく。
ただ不思議なことに、何故かそれがうまくマッチしている。
ハイブランドのものは、それっぽく錯覚させてしまうのか?
時を経て2021年。
私も30代になり、ふとVALENTINOに入りパンプスが目に入った。あれ?スタッズが昔ほどの「痛さ」を感じない。
VALENTINOの黒レースのタイトワンピースを試着したときに、店員さんがさっと用意してくれたスタッズパンプスを履いた自分を見て驚いた。あまりにも違和感がなかったのだ。
スタッズがとげとげしい物体ではなく、ラメくらいの感覚で足を華やかにみせる。きっと私がJimmyChooのラメラメやManolo Blahnikのクリスタルバックルを履いても、この品の良さはうまれないと確信した。
こうしてVALENTINOのスタッズにすっかり魅了されてしまった自分であったが、実は家に持ち帰ったのはショートブーツのほう。
スクウェアトゥで踵から足首まで、スタッズラインがはいっているシンプルなものにした。
一目見たときにこのシンプルさと形の美しさに見惚れて購入を決めた。
パンプスではなくショートブーツ。こっちのほうが、うんと自分らしさが出ている。
まさに今の私自身を象徴する靴だと信じている。
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