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JLPT合格までの【指導方法】
こんにちは
Jessicaです
今回は
JLPT試験について
4年近くオンライン日本語講師として
数々の学生さんに指導してきた方法を
みなさんにご紹介したいと思います
これを読んでいる
現役講師の方の中にも
今回のJLPTを受けた学生さんが
いらっしゃる思いますが
終わったばかりなので
できればこの情報をJLPT試験前に
シェアできたらよかったのですが
毎年行う試験なので
来年やその先にも活用できる情報を
今回お伝えしようとおもいます
また日本語講師になりたて
あるいはこれから日本語講師になろうかと
考えている方にとっても
年明けには
2025年の夏のJLPT試験に挑戦したい
という学生さんが
レッスンを申し込んでくれるかもしれません
その時に慌てないよう
事前にJLPTのしくみと対策を把握して
学生さんのレベルに合った学習プランを
立ててあげましょう
JPLTって?
まだ日本語講師をされていない方や
最近日本語講師を
始められたばかりの方に向けて
そもそも
JLPTってなに?
というところですが
JLPT=日本語能力試験は
国籍問わず日本語を母語としない人が
受ける日本語試験のことです
国籍を問わない
ということなので
例えば
日本人の旦那さんと結婚して
日本語国籍を取得した
台湾人の奥さんは
母語が中国語なので
試験を受けられます
レベルについて
JLPTには
N5~N1まで
5つのレベルがあります
N5が一番簡単で
N1が一番むずかしいです
レベル感でいうと
N5=ひらがな・カタカナ・簡単な単語や文法がある程度読める理解できる
N4=簡単な日常会話・単語が少し使える 日常会話は部分的に理解できる
N3=普段のよく使われる身近な日常会話が使えるし大体理解できる
N2=日常会話以外にももう少し幅広く様々な場面で使われる会話や文章が理解できる
N1=新聞や評論・小説など高度な分野の内容についても理解できる
ざっくりですが
こんな感じです
テストの内容
大きく分けて
筆記とリスニングの2つに分かれています
試験時間
受けるレベルによって
受験時間は異なります
もし学生さんから
受験時間を尋ねられたら
受けたいレベルに合わせて
以下の時間を教えてあげるといいと思います
受験時間
N1:筆記【言語知識(文字・語彙・文法)+読解】(110分)
聴解(55分)
N2:筆記【言語知識(文字・語彙・文法)+読解】(105分)
聴解(50分)
N3:筆記【言語知識(文字・語彙)】(30分)
【言語知識(文法)+読解】(70分)
聴解(40分)
N4:筆記【言語知識(文字・語彙)】(25分)
【言語知識(文法)+読解】(55分)
聴解(35分)
N5:筆記【言語知識(文字・語彙)】(20分)
【言語知識(文法)+読解】(40分)
聴解(30分)
ちなみに余談ですが
今年台北で試験を受けた学生さんの話によると
午前中はN5~N3が試験を受け
午後はN2~N1の受験者が
同じ会場で受験していたそうです
点数配分
配点は少し特殊で
その年ごとに変わるそうです
受験生全体の正解率によって
配点が決まるそうなので
例えば
文法部分の正解率が全体的に高ければ
その問題の配点は低く
長文問題の正解率が低い場合は
配点が高くなる
というような仕組みになっているそうです
(大抵は後ろに行けばいくにつれ難しく
配点が高い傾向にあります)
合格点数
合格するには
以下の2つの条件を満たす必要があるそうです
①総合得点の合格点数をクリアしている必要があり
かつ
②筆記(言語知識│読解)・リスニングも基準点を
クリアしている必要がある
が合格の条件です
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N1の場合でいえば
総合点が180点
合格点は100点
つまり筆記とリスニング合わせて
180点満点中100点以上が必要で
かつ
筆記
言語知識:60点満点中最低19点
読解:60点満点中最低19点
聴解
60点満点中最低19点
これらの条件全てを
満たす必要があるのです
なので
極端な話
聴解満点(60)+言語知識(40)+読解(0)で
合格点の100点をクリアしても
読解が基準点19点クリアしていないので
不合格になるということです
苦手分野があっても
基準点の最低点数は必ずとれていないと
いけないというわけですね
他のテスト
実はJLPT以外の日本語試験に
J-testというのがあるようですが
私が受け持った学生さんの中に1人だけ
J-testを受けて
それ以外は全員JLPTを受けています
また
過去に勤めていた会社で
外国人の採用をしていましたが
その際採用する人の
日本語レベルの判断基準は
JLPTでした
なので
JLPTの方が
認知度が高いようです
ちなみに
日本企業で働くとしたら
少なくともN2は持っていないと
採用されないので
日本で働きたいと考えている学生さんたちは
少なくともN2以上を目指します
ワーホリや留学であれば
日常生活に困らない
N3レベルを目指すといいでしょう
受験までのステップ(学習プラン)
以下では受験までのステップを
まとめてみました
文法を教える(特にN5.4)
過去問/リスニングを解く(試験3~1ヶ月前)
試験を受ける
という感じです
どれくらいのレッスン受けたら合格できる?
講師として気になるのは
どれくらいの学習範囲を
何時間くらい教えたらいいか
ということですよね
合格するための
学習範囲ですが
それぞれレベル別に見てみましょう
N5
みんなの日本語であれば
みんなの日本語初級Ⅰ(1~25課)1冊を終了すれば
おおよそN5の範囲だと言われています
N4
みんなの日本語初級Ⅱ(26課~50課)1冊終了で
N4の範囲になります
このみんなの日本語Ⅰ・Ⅱは
どれくらいの期間で終わるのかというと
学生さんのレベルにもよりますが
平均でいうと
50分のレッスンを週1回で受けた場合
1年で1冊分終了します
ですから
半年後にN5を受けたい
初心者の学生さんであれば
50分のレッスンを
最低でも週2回受講してもらうことをオススメします
ただし
途中でイレギュラーでお休みが入ったり
JLPT前に試験対策のレッスン時間を
確保したいのであれば
学生さんには最初は最低週3回で
すすめたほうがいいかもしれません
(大体途中でダレてきて週3から週2、週1へと頻度が落ちるので)
N5・N4は特に文法部分が大切なので
みんなの日本語の文法をしっかりやってから
過去問をテスト直前に一緒に解くようにしています
N3以上
N3以上は文法を教える場合は
以前ご紹介したねこ先生や
出口先生の動画や
参考書などを参考にしながら
自分で資料を作って学生さんに
文法解説をしています
そしてN3以上の場合は
文法と同時並行で
過去問をたくさん解くようにしています
実際にたくさん問題を解いた方が
傾向が見えてきやすいのと
N3以上を目指している学生さんにとっても
ひたすら文法を学ぶよりは
成長に向かっている達成感を感じやすいので
たくさん練習を繰り返していきましょう
学生さんへのアドバイス・合格のコツ
日本語母語の私は
実際にJLPTのテストを
受けたことが無いので
どうしても学生さんには
「がんばってください」ということしかできません
具体的アドバイスが
なかなか思い浮かばないので
思い切って
以前紹介した私の生徒である
台湾人日本語講師の方に
「学生さんに具体的にどんなアドバイスをしていますか?」
と聞いたことがあります
彼曰く
合格するのに近道というのはないけど
学生さんに以下のようなアドバイスをしている
と教えてくれました
・難しい問題から解いていくこと
・一発で合格することは目指さなくていい
・モチベーションが下がったら原点に立ち返る
・試験はあくまでも「目安」気にしすぎないこと
だそうです
難しい問題から解いていくこと
については
時間に余裕があるうちに
難しい長文から解いて徐々に簡単な問題を解く
ことで
時間が無くなって焦って解けなくなる
というのを防ぐことができるそうです
確かに
後になればなるほど
疲労と時間制限の緊張感で
パフォーマンスが悪くなることを考えると
最初の頭がクリアで
時間にも心にも余裕があるうちに
難しい問題を解くのは良い方法かもしれない
なるほどなぁっと思いました
一発で合格することは目指さなくていい
どうしても
学生さんは受けるなら
一発で合格したいという思いで
焦って必要以上に自分にプレッシャーをかけてしまう
学生さんもいます
そんなとき
彼は生徒さんに
一発で合格することを目指さなくてもいい
とアドバイスしているそうです
毎年のテストのレベルは
それぞれ違うので
合格しやすい年もあれば
そうでない年もあります
運の要素もあるので
そこまで気張りすぎない方が
案外うまくいく
と彼は学生さんに伝えているそうです
モチベーションが下がったら原点に立ち返る
よくテスト前の
過去問を解く練習をしていると
特に最初のころ
あまりの解けなさに
愕然として自信を無くす学生さんがいます
そんなとき
彼は日本語を勉強しようとし始めた時のことを
思い出してみるといいと学生さんに
アドバイスしているそうです
どんな気持ちで始めたのか
日本語が好きで勉強しようとしたはずだから
その気持ちをもう一度思い出してみよう
と下がったモチベーションが
元に戻るような声掛けをしているそうです
テストのせいで日本語が嫌になるくらいなら
テストは別に受けなくてもいんじゃないか?
という風にも学生さんに伝えているそうです
こんな風に先生に言われたら
もう少し頑張ってみよう
という気持ちになりますよね
さすがだなぁ
と思います
ちなみに
私の場合は
最初ぼろぼろな結果だとしても
しっかりと練習と復習を繰り返せば
3ヶ月後には今よりは確実に伸びているから
心配ない
と伝えています
実際のところ
受かるか受からないかは
誰にもわかりません
講師なりたての最初の頃は
半ばはったりのように
問題ないと言っていました
なぜならただでさえ学生さんが
合格できるかどうか不安なのに
先生も一緒になって不安になってはいけない
と思ったからです
まずは先生がしっかりと
大丈夫だ
という姿勢を示していくのが
プロなんじゃないかなと思います
実際は
本当に3ヶ月続ければ
最初の頃に比べてみなさん
確実に成長しているので
はったりでもなんでもなかったんですがね
試験はあくまでも「目安」気にしすぎないこと
これに関しては
彼の実体験として
自分はN2に合格したけれど
N2ならこれくらいは話せるだろうと
会社から期待されていたし
自分でも自信があったけど
実践では全くそのレベルに達していない
と感じたり
逆に
N3以下の学習者だとしても
思った以上に
ちゃんとコミュニケーションがとれる場合もある
ということで
試験はあくまでも目安にすぎないから
そこにこだわりすぎなくていい
と伝えているそうです
これも確かにその通り
だと思います
実際に受け持つ学生さんの中には
JLPTのレベルが高くても
そのレベルの内容を話せるとは限りませんし
N3,N4の生徒さんでも
こちらが日本語で話すことをほどんど理解できて
的確に受け答えが出来る学生さんもいるので
JLPTは本当に
評価基準の1つでしかないと思います
ですから
試験であまりにもナーバスに感じている学生さんには
もっと力を抜いて
気楽にとらえたらいいというアドバイスは
効果的かもしれませんね
さいごに
以上が
「JLPT合格までの道のり」でしたが
いかがだったでしょうか?
今回は
考え方の部分でのアドバイスを
多く紹介しましたが
次は
試験のテクニック的な
部分も紹介していけたらなと考えてます
最後までお読みいただき
ありがとうございます
なにか
参考になるものがあればうれしいです
では
また