第6期パウパー東海王決定戦 TOP4レポート【Jund Gleezard-ジャンドサディストコンボ】
こんばんは、TANOです。
昨日開催された第6期パウパー東海王決定戦にて3位という結果を残せました。とはいえこの結果には全く満足はしておらず、悔しさ満点……
ですが、それなりに今の環境で遊んできた中で得られた感触であったり環境の動向、今回使用したジャンドサディストの概要にも触れられたらと思い、打ち上げ後ベロベロに酔いすぎて二日酔いの中書きました。
1.MH3 注目のカード達
モダンホライゾン3の発売から早くも1ヶ月が経過しました。各種フォーマットで新らしいデッキが誕生していたり、既存デッキを過去のものとするなど……やはり今回もモダホラは劇薬で、パウパーにも大幅な変化を及ぼすこととなります。
そんな中でも特に注目のカード5選(TANOセレクト)をご紹介。
【1位】
のたうつ蛹
某BM社の副社長のような反応を見せてしまって恐縮ですが、何でこれアンコモンじゃないの?そもそもレアでも良いくらいだけど千歩譲ってアンコモンだろ……
ちなみにこの考えは、パウパーの為にコモンが設計されるべきではないというPFP(パウパーフォーマット委員会)の方針を踏まえた上でもコモンで許して良い性能ではないと思っています。リミテでも暴れまくってるのはダメでは。
あと、唱えた時にエルドラージ・落とし子トークンを生成することにした人はマジで反省して下さい。せめて出た時。
後述しますが、ジャンドサディストが強い理由の7割はこいつが担ってると言っても過言では無いのでは。
【2位】
刷新された使い魔
蛹に比べるとややマイルドな言い方にはなりますが、こいつも大概オリカです。こちらはプレビュー時点で強烈な性能だと確信しており、グリクシス親和の骨密度を相当に高めていると言えるでしょう。
2位にした理由として、蛹と比較した時に不利盤面を劇的に巻き返す力がやや劣ること、また、親和自体に対する他のデッキのマークが強力すぎるため順位を下げています。
【3位】
日を浴びる繁殖鱗
こいつ自体はそう大した性能ではないが……
サディストコンボを成立させた立役者。1枚での性能はそう強いわけではないものの、こいつとサディスト的喜びによる2枚で無限無色マナを発生させてしまう2枚コンボが安い速い強いため3位。前述の蛹、ユーティリティーカードである邪悪鳴らしともシナジーしている。
【4位】
進化の証人
使ってみて評価が変わったカード。3マナで出ただけでは何もしないのが辛いと思ったが、運用次第で確実にアドバンテージを稼ぐこと、こいつの存在がサディストコンボを止めにくくしていることからかなり高評価◎
パーマネントなら何でも拾えるのはバグ。こいつも無限に寄与するぞ!!
【5位】
こそこそサクサク
ブラッドバーンに居場所を見出したフェアリー・ならず者。フェアリー愛好家のためUBフェアリー等に入るか!?と期待していましたが、フェアリーを核としたデッキが欲している性能とは微妙に異なっており、今のところ上手くいった話は聞かないです(フェアリー自体が今しんどいのもありますが……)。
とはいえそれなりに活躍はしていて、今のところブラッドバーンで一番使われています。素キャスト出来ない辛さはあるものの、インプ以外に待望の飛行クロックであり、マナを使わずに場に出る点が噛み合っているのでしょうか。バーンは全くの管轄外なのであんまり分かりません。けどインプと一緒に出された時の圧は凄い。
【番外】
頭蓋槌
堂々の発売前BAN!!普段からパウパーを遊んでいるパウパーラヴァー達からすると、『そらそう』としか言えません。1週間くらい使えたらクレイジーな環境になっていたと思うので、それはそれでちょっと体験したかったなとも。
これら5枚+番外のカード以外にも非常に強力なコモンが多数存在し、非常に刺激的なセットになったと言えるでしょう。まぁ、ちょっと刺激的すぎる気もしますが……
2.MH3環境の動向
モダンホライゾン3発売後、前述の強力なカード達が鮮烈なデビューを飾り環境を劇的に変化させていきます。
前評判通り、刷新された使い魔というオリカを獲得した親和を握るプレイヤーが多いのかな〜とMOリーグに潜ると、実際は少し違いました。
先ず、RGポンザの台頭は目を見張るものがありました。のたうつ蛹,邪悪鳴らしを採用したRGポンザは、これまでのご都合お祈り……失礼、安定性に課題のあった構造を改善することに成功し、ちゃんと強くて不快なランデスデッキに進化を遂げます。ちなみにオリカを搭載した親和でも不利なため、ポンザへ対応するために喪心をメインに2枚程度戻す羽目になったりと親和側からするとあまり好ましくない展開に。
リーグがポンザだらけになってきた後、ポンザに有利な壁コンボが勝ち始めたりブラッドバーンも良い具合に勝っていたりと、環境初期だなぁという混沌としたメタへ突入。
そんな中、600超規模のパウパーの大型大会pauper geddonが開催。優勝はこそこそサクサクを4投したブラッドバーン。サイドの汚染された地が印象的でした。また、同大会での親和の勝率の悪さを知った時にはけっこうなショックを受けることに。
6月が終わる頃には変化は緩やかになってきたものの、一つだけ確実に言えることといえば……青だけが上位から弾き出されたことでしょう。唯一やれる確信を得られたのは青単テラーだけで、その他の青いデッキは極めて高い押しつけ力に対応出来ず、試しに以前から握っていた青赤コントロールでリーグに潜ったところ、無事死亡。青で頑張る気力は絶えました。
3.ジャンドサディストへの移行
6月下旬に入り、私が熱心に練習・調整を始めたのはグリクシス親和でした。オリカは使える内に使っておきたい。
静岡番長戦で使用した構成はかなり好感触だったものの、モグワーツに最後の最後でトップされ、壁コンボ相手に2マリ→4マリして負けたりと散々な目に。とはいえマリガン自体は(構成以外では)時の運次第で腕の介入要素は少ないため、受け入れて吹っ切るのみです。
ただ、親和だけを調整していて幅が狭まるのも勿体無いので、新たなデッキを漁っていたところ、面白いデッキを発見。それがこの、ジャンド親和です。
モダホラオールスターズと呼ぶべきなレベルでモダホラ産カードを大量投入。同じOP会(Oath of pauper)のメンバーが組んでいたため試させて貰って浮かんだ改善点が下記2点でした。
1.親和要素いらなくない?
2.野火欲しくない?
親和要素いらない問題については、ゴリラのシャーマンが辛すぎる上にカラー的に青霊破,水流破のような回答が存在しないことが絶望的な弱点と認識。激しくメタられているデッキと同じ弱点を内包し、かつそこに対する回答が無いのはあかんやろ。
浄化の野火については、安定性と爆発力の向上のために採用したら良いやんというフワッとした感覚でしたが、今のジャンドサディストに定着している辺り、間違っていなかったのではないかと思います。
こうした改善点を踏まえ自分なりに調整。パピー王就任期間は参加費無料でおなじみ、優良店舗パピー弥富店での大会でお試ししたところ、華麗に全敗!!新しいデッキを固めるセンスがねぇ!!
今になって思うとコンボ要素を少なくして殴り性能を上げすぎていたのがまずかったんですが、その時は分かんなかったよね。帰宅して即解体。
その後もサディストコンボはゴルガリ,ジャンドそれぞれで変遷を追っていきましたが、親和でゴリラにやられずに勝ち切ることにまぁまぁ成功してきていたため、東海王は親和で良いや〜と思っていました。が、東海王前週頃からかなり雲行きが怪しくなり始めました。親和、めっちゃ事故るんだけど……?
ある日、フォロワーのFlower270ことつばささんのジャンドサディストに轢き殺されたのを契機に、増加したサディストコンボにボコボコにされたり、シンプルに自分側が事故ってフラッドorスクリューしかしなかったりと散々な目に遭い、構築とプレイの両面で改善点を探していましたが……正直分からんかったです。普段パウパーをやっていない人から見ても親和だけはメタらない訳がないですしね。普通に回る時には対策されても乗り越えられるけど、マリガン後はまぁ辛いっす。
本番2日前にして今の良くない流れを持ち込みたくなかったため、パーツだけは買っておいたジャンドサディストへ乗り換えることを決意。青くないデッキを使うと一瞬で赤ん坊レベルになる僕が出来ることは……そう、魂の1人回し100回です。用事があったり暑くなりすぎて外に出たくなかったりと、大会に出る時間が取れなかった時に出来ることは何らかの形で量をこなすことだと思います。
その中で見えてきたこととして、やはり蛹は頭1つ抜けて強い。こいつが場に出ることで相手目線でのプレッシャーが桁違いになり、コンボをケアする余裕を与えません。ここから殴り続けるのに構え続けてたらそれだけで負けるよ?というシチュエーションを作り出し、絶え切れなくなった隙を突いてのコンボ始動が強力です。また、2体3体と重なってきた時には6/7,8/9などのふざけたサイズに育つため、邪悪鳴らし等で出てきた落とし子を早めに使用するのではなく、ギリギリまで温存する選択肢も持つことがかなり大事だと感じました。
また、特筆すべきは新カード達のシナジーです。日を浴びる繁殖鱗,のたうつ蛹,邪悪鳴らし、これらが産み出すトークンは全てエルドラージ・落とし子トークン。蛹のサイズアップに必要な条件は、他のエルドラージを生贄に捧げること……ここが噛み合い、繁殖鱗とサディスト的喜びのコンボが成立すると場に出ている蛹も無限パワーに育ちます。マジで何??
2ターン目繁殖鱗から入った場合に最速3ターンキルが可能なサディストコンボですが、2ターン目繁殖鱗でなかったからといって油断は出来ません。
サイドのシルヴォクの生命杖を用いた無限ライフは2ターン目邪悪鳴らしから入った場合でも3ターン目に無限ライフが可能です。
2T邪悪鳴らし→3T繁殖鱗+サディスト的喜び→邪悪鳴らしで出た落とし子をサクる→無色無限マナ→生命杖→装備→サクって3点ゲインの繰り返し
ちなみにこちらの生命杖による無限ライフですが、相手の場に侵入者への呪いが貼られている場合にも乗り越えられます(サディスト側が差引き2点ゲイン,相手は1点ゲインをひたすら繰り返す)。もちろんそのまま即勝利とはいきませんが、育った繁殖鱗で相手の壁がなくなるまで殴り続けるか、相手の方が多い枚数を引いていた場合には時間はかかるもののLOで勝利です。選択肢多いな。あと、ネイディアの夜刃も止まらないし、ライフの絶え得る限界までサイズアップさせて殴っても勝つので呪いはいらんなとなりました。
サディストはカルドーサ,バーン等アグロデッキがまぁまぁ苦手ですが、そんな時にも生命杖は普通に3点ゲインによる延命で無理やりこちらの土俵に持ち込めるため、事前にプランに組み込んでおくと勝率が上がりそう。3枚欲しいようないらないような。
4.戦績・振り返り
1.青単テラー 2-0(マカさん)
2.呪禁オーラ 2-1
3.スリヴァー 2-1(くろねこさん)
4.ID(RGポンザ)
5.ジャンドトロン 2-1
4-0-1 1st
SE
1.ジャンドトロン 2-0
2.青単テラー 0-2(マカさん)
3rd
初戦から関西の強豪マカさんとの戦いを必殺の蛹連打で勝ち、その後も無敗で1位通過!!スイス最終戦は普通にIDしても良かったのですが、確実に先手が欲しかったのと2-2ラインの身内をTOP8に入れたかったためガチることに。
結局お相手の方がそのまま8位通過で意味なかったような気はしますが、相手の構築を知れたことでSE1戦目の再戦でも盤石な盤面を築きサクっと勝利することが出来たため、何やかんや得してました。
最後はマカさんにリベンジされ負け。強迫をサイドに1,2枚積むことを考えたものの最終的に他のカードに譲ったため、これはやむなし。
メインもサイド後もずっとカンスペ持たれててかなりしんどかった。
デッキ全体として選択肢が非常に多く、常に青いデッキを使ってきた自分の非青デッキに対するスキルの欠落を再認識しながらでしたが、今の自分が出来得る限りでは頑張れたのではないでしょうか。
使いこなすにはある程度の練習が必要だと思いますが、デッキ強度はかなりのものでしたので、気になっている方が使う際の一助となれたらなと思います。
それと、折角なら優勝した上で言いたかったことですが……蛹禁止されてくれ!!!!!!
来週は関西帝王戦頑張りま〜す