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サブスク独占時代終焉か。人気低下を懸念するブンデスリーガが方針見直しへ

Pete所感

  • 高騰する放映権/配信権料。その中でも、DAZNなどのサブスク有料配信が昨今存在感を放っている。

  • こうした有料メディア間のコンテンツの分散化が、ファンにとっては「どこで何の試合が放送されているか」という混乱を招いている、ということは、どのスポーツにも言えること。

  • 収益化とファン拡大のバランスをどう取っていくか。短期の利益を追い求めて過ぎて、普及や未来のファン育成を無視することはできない。


フランクフルトが今季のUEFAヨーロッパリーグを制覇。欧州のコンペティションで4強入りを果たしたドイツ勢唯一のチームということもあり、準々決勝以降はドイツ国内の大半のサッカーファンがSNS上でもフランクフルトを応援する姿勢を見せていた。このフランクフルトへの一般的なファンの関心の高さを支えていたのは、民放での無料放送だったことがデータによって判明したようだ。
『DAZN』や『スカイ』のようなサブスク形式の有料放送に独占させてきた放映権を、ファンたちが無料でアクセスできる一般のテレビ局にも提供するというものだ。これまでは有料メディア間で放映権が分散され、クラブのサポーターですら試合の放送チャンネルがわからなくなっている状況に陥り、ブンデスリーガやサッカー観戦そのものへの関心が薄らいでいた。
現行の契約が切れる25-26シーズン以降、民放での放送を増やす方向で調整を進めている。先に触れたEL準決勝1stレグのウエストハムvsフランクフルト戦では753万人(視聴率20.4%)が視聴しており、この数字は有料チャンネルを大きく上回るという。
 これまで収益規模では、イングランドのプレミアリーグに続く欧州2番手の座を維持してきたドイツ・ブンデスリーガ。だが、海外での市場拡大に苦戦し、外資の融資の受け入れにも国内クラブやサポーターからの猛反発を受けており、収益の拡大に苦しんでいる。
 国外に大きな市場を持つスペインやフランスは海外資本からの融資を積極的に受け入れており、ドイツリーグ運営の責任者たちは難しい舵取りを強いられている。まずは無料で見られるテレビによる放送枠を確保することで、国内ファンの関心を引き止めることから出発することになりそうだ。

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