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フレキシブルピニオンインサート
両軸モーターやプロペラシャフトのピニオン角度を調整・確認が出来る治具です。
効果について聞かれますが、結論から言います。
このマシン(ノーマル仕様)を
このコース(岡山 G-WORKS様)で走らせて、
0.5秒/周タイムが縮みました。
ピニオン角度だけでここまで差が出るとは思っていませんでした。
なお、コース全長は分かりません(^◇^;)
このコースはノーマルマシンでも走らせる事が出来るので、一緒に行った息子も大喜びでした。
一定以上の速度域になると攻略が難しくなりそうなので、上級者から初心者まで楽しめる良いコースレイアウトでした。またお邪魔します。
測定条件やタイムが良くなった原理(仮説ですが)などの詳細は次回更新時に“空理空論“に記載します。
また、この治具を使えば走行前後でのピニオンの緩みも確認出来るので、そこの対策が十全か確認することも出来ます。
まず、両軸モーターピニオンでの使用方法について説明します。
左側のAがピニオン角調整を行う部品です。1目盛につき5度づつ増えます。
右側のBが基準としてピニオンを固定する部品です。Aの0度と同じになります。
まず、モーターピニオンの場合について説明します。
写真の左手がA、右がBです。
モーターピニオンはわかりやすい様に色を変えてます。黒が基準、紫が調整を行うものです。
角度は写真の青いビスを少し緩めてプロペラシャフトなどで調整します。今回は22.5度に設定しました(角度調整後のピニオンと基準側のピニオンの山と谷が一直線上になる)
まず、基準となるピニオンを取り付けて、Bの溝にはめ込みます。
そして、Aに反対側のピニオンを取り付けます。
その後、A側を写真の様に平らな板の上で差し込めばOKです。
写真の様にピニオンの山と谷が一直線上にある状態になります。狙った角度に調整出来ました。
モーターピニオンの取り付けについては以上です。
次に、プロペラシャフトの場合です。
プロペラシャフトの場合はシャフト部分を支える為に、写真のCの部品を使用します。シャフト径に合わせて使用して下さい。
まず、半分組み立てます。スペーサーは適当です。
このBにプロペラシャフトの基準側のピニオンを反対側も組み立てます。
こんな感じです。
次に角度を設定したAにピニオンをはめて、シャフトに取り付けます。
この時、シャフトの変形により、C同士の隙間が広がるので、左右からピニオンに1番近いCを押さえて下さい。
写真だと別の所を押さえていますが、Cを押さえる方が良いです。
写真の様に山と谷が一直線上になりました。
なお、公式レギュレーションではピニオン外しはNGとのことなので、外さずにピニオンを捻って角度の調整を行なって下さい。
その調整は下記方法を参考に行って下さい。
写真は捻る前の状態。
こちらが捻った後の状態です。
平らな面に置いた時、ここの隙間が無くなるようにして下さい。
なお、調整後はピニオン間のクリアランスの確認・調整を必ずして下さい。
クリアランスの調整は捻れが生じないので、基本的に角度は変わりません。
プロペラシャフトでの取り扱いは以上です。
ピニオン角度の確認
調整だけでなく、走行後のピニオン角度の確認にも使用できます。
走行時にピニオンがズレると、それだけでトルクが抜け、タイムが落ちてしまいます。
ダッシュ系モーターで立体を走行した時、ピニオンが緩んでいる経験をされた方は多いのではないかと思います。
そして、その確認は手で動くくらい緩んでいないと分からなかったと思います。
しかし、手で動かすことが出来なくても走行中にズレが生じる事はあります。そして、それを確認するのは中々難しいです(山と谷を少しずらしている場合は特に)
でも、そんな時には下記の方法で確認すればすぐに分かります。
手順はシンプルです。
①写真の青で囲んだビスを少し緩める。
※この時、0度に合わせておいて下さい。
②写真の様に平らな面に置いた状態で隙間が無くなる様に置く。
※置いた時、写真の箇所に隙間ができるようにしてください。
反対側(向かって右側)に隙間ができる場合はAを一度外し、写真の箇所に隙間ができる様に付け直して下さい。
※プロペラシャフトでも同様です。
③①で緩めたネジを締めて角度を固定する。
※この時の角度が走行前の角度です。
④走らせる。
⑤③と同じ状態にした時に、写真の様に隙間が出来ていた場合、ピニオン角度が変化しています。
これは走行中にピニオンの緩みが原因でトルク抜けが発生している証拠となります。
新品に取り換えても同じ事が起きる場合、軸にマジックを塗るなどの方法でピニオン緩みの対策を行なって下さい。
※方法については他の方々が沢山紹介して下さっています。探して参考にして下さい。
ピニオン角度の確認方法については以上です。
次回は何故ピニオン角度を変更しただけでタイムが良くなったのかを“空理空論“の方にまとめます。
これの説明をする為に調べたおかげで、歯車について良い勉強になりました^_^