下道一組 毎週ショートショートnote
クリスチャンの私は、仏教徒の両親を持つ彼女に恋をした。
江戸時代でも無いのに、私の求婚に彼女は戸惑いを隠せない。
そう、両親が宗教を理由に、私との交際自体にも反対している。
あなたを外道と言うのだと、彼女は泣き泣き訴えた。
時代錯誤と切り捨てたいところだが、愛しい人の両親だと思うと強引な事もできない。
とにかく直談判あるのみ。何度も家を訪ねたが扉は開かず。
そんな噂は彼女の両親が敬っいる住職の耳にも入った。若い二人を不憫に思われて、一計が講じられた。
住職は定例の講和会に、キリスト教の牧師を招いた。彼は宗教を超えた所にある愛について話をされた。
住職、牧師は互いに手を取り合い、お互いを包容した。
彼女の両親は深く反省した。
「私達の方が間違っていた。心からお詫びする」
こうして私達はめでたく結婚式を迎えた。住職と牧師も来賓席で談笑中。
いままで外道(げどう)と言われてきたが本来の苗字は外道(そとみち)だ。
外道一組、晴れて夫婦となる。
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たらはかにさんの企画です。
外道(げどう)
仏教用語。仏教の信者からみて、他宗教の教え。またそれを信じている者。堕落した者など。
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