おじいちゃん部│#完成された物語
最近、公民館の予約表に『おじいちゃん部』がよく登場する。
「何かしら、おじいちゃん部って。老人会の男性版?」
私は、サークルの会議使用を申し込みに受付に来た。
「とんでもない、おじいちゃん達は一流会社『G社』の元エライさん達よ。会社が表に出せない何かを暴露される事を恐れ、会社が監視しているのよ。表向きは…新しい生き方とかのスクーリング」
受付のおばさんが耳打ちする。
「なんだかね、皆さん可哀想なの。ため息ばかりが聞こえるの」
おばさんの心配そうな顔。
監視するって、24時間見張るのは不可能。私は、好奇心と憤慨を同時に感じた。
老化の為、秘密事項を暴露する事や、会社への不満が要因の暴露、あり得る。
会社はどんな手段を使い阻止するのか?
その時、待合室のTVが緊急ニュースを伝えた。
それは、株式会社Gの倒産を知らせるものだった。
私とおばさんは無言で万歳をした。
これからは、本当の『おじいちゃん部」を楽しんで欲しい。
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