沈む寺 毎週ショートショートnote
沈みゆく夕陽。今日もかなり夕陽が大きく見える。
太陽が地球に近づいているのだから当然だが。いや地球が太陽に近づいているんだったっけ。どちらにしても同じこと。衝突は免れない。
それでも地球の温度は下がる異常事態。
この夏の季節でも、私たちはコート、マフラー手袋、帽子、保温アイテムが手放せない。日が落ちたら大変だ。急いで帰宅しよう。
その前にこの街で一番高所にある古い寺に行き、仏様に祈る。もう97日目。神社では無いが仏様にも通じるかもしれないと思いながら。
百日目に寺に訪れた時、心なしか寺が低くなっている気がしたが、百日目なのでいつも以上に私は姿勢を正して寺に対した。
頭を垂れた時、仏様の声が響く。
『全ての者に、全ての物には終わりがあります。
今がその時です。しかし、この事態は私が地に行けば治めるとができると如来様より有り難い御告げがありました。私は喜んで地に参ります』
お寺は船が波間に沈んでいくように、その姿を消したのだった。
410文字
たらはかにさんの今週の表お題『沈む寺』です。
いつもありがとうございます。
ため息つきつき、何とか書けました。なんのひねりもありませんが……。