執念第一 毎週ショートショート note
じいちゃんが元気だった頃、一緒にドラクエのゲームをした事があったよね。
その時、世界樹についてじいちゃんと調べた。世界は一本の大樹であり、全ての世界の中心で、天地を支えているとの記述があった。
すると、じいちゃんは世界樹の葉を持っていると話した。
「じいちゃん、世界樹は神話だよ、実際には無いんだよ」
僕は言ったが、じいちゃんは頑として言い張った。ウソをついた事など無いじいちゃんが。
ばあちゃんが亡くなり、追うようにじいちゃんも亡くなった。
じいちゃん、世界樹の葉が本当にあったら、今使いたいよ。
なぜじいちゃんは世界樹の葉を持っていると言ったのか。ばあちゃんが亡くなった時使わなかったし、自分が亡くなる時に使うよう頼まなかったし。
そうだ、ばあちゃんが亡くなる前、僕は事故で生死の境をさまよった。僕のために使ってくれたのか。
じいちゃん達こそが、僕の世界樹の葉だったんだ。執念と言っても良い程の一途な愛情で,僕を救ってくれたんだよね。
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たらはかにさんの企画、毎週ショートショートnote、一年の節目を迎えられ、おめでとうございます。そして、いつも書かせて頂きありがとうございます。
昔、私もファミコンでドラクエをして遊んだ事があります。子供に笑われるほどヘタッピイでしたが。