![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76843866/rectangle_large_type_2_ca113fc1d0f4606e301f8b8f0951aeb7.jpeg?width=1200)
神様時計 2 |毎週ショートショート note
大きな古時計が僕の家にある。
勿論もう動きはしない。
だが時刻を知らせる以外に、その時計にはまだ役目がある。ただ、人間の為では無く、神様の役にたっているのだ。
その事を知っているのは僕の家族だけで、代々受け継いできた秘密だ。
この時計は、神様が天と地上を行き来する為の出入り口だ。
我が家では、長い間この時計を敬い『神様時計』と呼んでいる。
だが近頃、父の顔色が悪い。父にわけを聞いた。
「最近、神様時計を利用しているのは神様だけでは無いようだ。いやな予感がする」
父の心配は現実のものとなる。
鳴らないはずの神様時計が大きな音を響かせた。悲鳴をあげているように聞こえた。
父と駆けつける。
見えた、一瞬。神様と悪魔が戦っている。だが、白いモヤが二人を覆い隠し、どうなっているのか全く分からない。
神様時計が鳴り止んだ。どうなった?
神様だけが立っておられた。ホッとする。
次の日、父は神様時計に貼り紙をした。
それには『神様専用』と書いてあった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
410
時計の神様でも無く、神様の時計でも無く、
神様時計。イメージは膨らむような、縮むような💦
たらはかにさんの企画に参加させて頂いています