爪毛の挑戦状 未来の道
私はいつも『今』にいる。
後を見れば一本道。前を見れば複数の道に枝分れしている。
どの道を選択するべきか迷う。ここに留まる事はできないと思うと、慎重にならざるを得ない。
ちょっと待って。
若い頃は枝の数はもっと多かった。そうだ、そして選択の難易度は今よりもっと高かった。
それは私が歳を重ねたから事情は変わったのだ。
だが、どれか選ばないと先には進めないのは同じ。
私は何でも一人で決めていかなければならない。どの道を選択したとしても多くの人に迷惑をかける事になる。でも、決めなければならないのだ。
私は答えを出した。その道を歩くことにした。理由なんか有るようで無い。
暫く行くと霧が出てきた。いつものこと。道の選択をした後はいつもこうして現実に戻るのだ。
「ねえ、お義母様、お決めになった?」
「何でしたっけ?あ、養老院よりグループホームにしたいわ」
「何の話ですか?明日から二人で通いましょうよ」
「どこに?」
「ハワイアンダンス教室にですよ」
410文字
爪毛の挑戦状、随分久しぶりです。
何度もワードと睨めっこしたのですが、書けず。
今回は決まったタイトルの挑戦状に挑戦いたしました。
よろしくお願いいたします。 めい
◆これはフィクションです。