壁持ち強襲女 毎週ショートショートnote
敵に奇襲を喰らい、わが村は壊滅的な打撃を受けた。
白旗を掲げた方が全滅は免れるかもしれない。だが女たちは敵に奪われるだろう。
我らの気運が二度と高まる事はないだろう。男たちはため息をつきながら、戦死した仲間たちを葬った。
戦力は残っていない。ほとんどの戦士は傷を負っている。精神状態も、まともでは無いようだ。戦意喪失。
「不甲斐ない男たち」
先祖がアマゾネスの女たち。忘れていた燃える闘争心が体の奥底から甦る。
「私たちの出番がやって来た。女たちを侮るな。我らはアマゾネス!」
先祖のアマゾネスたちが憑依したかのように、女たちの表情が凛々しい。だが、だが、突然の事に武器の用意が無い。どうする女たち!
女たちは家の壁板を剥がし、男たちから弓やナタを取り上げた。
女たちの凛々しい姿を見送る男たち。
だが、アマゾネスらしくは無い。馬がこの村にはいないのだから仕方がない。
この村のアマゾネスは、自分の足で敵陣に向かう。剥がした壁板は盾だったか。
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たらはかにさんの企画です。
今週の裏お題、『壁持ち強襲女』です。
なんちゅうお題!でしょうか😭