キンモクセイ盗賊団の池 毎週ショートショートnote
その盗賊団は、仕事を成し遂げると辺りにキンモクセイの香りを遺していく。なんだか昭和の芳香剤を彷彿とさせるが。
「ねえ、ボス。このキンモクセイの匂い、どうにかならないですか?私嫌いなんです」
「キンモクセイ盗賊団がバラの匂いを振りまいたら話にならん」
「では、バラ盗賊団に改名しましょうよ」
「この名は、代々のボスから受け継いだ。改名なんぞできない。諦めろ。そもそもキンモクセイという花だと思っているだろうが、それは違う」
「?」
「金星と木星の事だ」
「えっ!なんで?」
「金星と木星は愛と吉の星で発展を意味する星だ。我々の仕事にピッタリ。カタカナで表しているだけだ」
「スケール、デカいですね。と言うかロマンですね」
「分かれば良い」
「ところでボス。アジトの裏の池、最近嫌な匂いが強くなった気がするのですが……」
「そうだな、そろそろ池の掃除も必要だが……」
ボスは言葉を濁す。
『あいつに話すのは当分先だ。あの池は底なしで、代々のボスの……』
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たらはかにさんの裏お題、キンモクセイ盗賊団の池 です。
内容はともかく裏お題も書けたのは久しぶりです。ちょっとホッ。
よろしくお願いいたします。
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