毎週ショートショート note 草食系男子に教えられたこと②
ある商店街の青果店。ここの娘の葉さんは、人目を引く美人さん。
葉さんは隣の肉屋の息子の研さんが気になる。だが二人とも草食系。お互い挨拶を交わすくらいが精一杯。
目ざといお客さんの方が二人の気持ちをご存知だ。
ある日、青果店に小さな男の子がお使いにやって来た。
「豚肉200gください」
葉さんは優しく言った。
「お肉は隣の肉屋さんよ」
「違うよ、ママはキレイなお姉さんのお店で買うって言ったもん」
泣きそうだ。
「わかった、待っててね」
葉さんは隣りの研さんに目配せ。
研さんは慌てて、豚肉200gを包んで葉さんに渡す。
「はい、豚肉200gよ。ありがとうございます。240円です」
手を振りながら男の子は帰って行く。
「あの子、昨日はちゃんとこっちで鶏肉を買ったよ」
「うちには大好きな野菜をいつも買いに来るのだけどね」
様子を見ていたお節介おばさんは、ため息混じりに言った。
「わかんないのかい？あの子はあんた達に一つのお店の人になって欲しいんだよ」
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たらはかにさんの企画です。
まあ、珍しく②が登場。初めてか、2度目？
同じお題でたくさんのお話を考える事のできる方々。凄いです❣️