永久就職の実態(SS 260文字)
昔むかし私達二人は、互いに際どい歳になったので自分にも世間にも妥協して結婚を決めた。
新しい家族として生活をスタートしてすぐに、彼は私にこう言った。
「なんで、私と結婚する気になったのか知らんが。なんで、私がお前と結婚する気になったか教えてやる」
「なんで?」
「黙っていたが、私は鼻が悪い。臭覚はかなりよろしくない。だからガス漏れが発生しても、気づかないと思う。食品が腐っていても」
「それが怖くて?」
「そう」
私は高性能のガス漏れ警報器として買い取られたらしい。結納金が代金か。
なので私は夫がオナラをする度に、大騒ぎするのです。
了